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【語源で覚える】appropriate|プロパティ、プロパーから「自分のもの」→「ふさわしい」

著者情報
【著者:鈴木一世(イッセー)】

現役大学教員・カウンセラー。
  専門の「第二言語習得理論」と「心理学」に基づき、氷河期世代・非正規雇用・転職に関わるリスキリング戦略をデータで解説。挫折しそうな人のための、脳と心の攻略ガイド。  

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「appropriate(適切な・ふさわしい)」は、テストでも仕事でもよく出るのに、なんとなく丸暗記で済ませがちな単語です。でも、真ん中をよく見てください。propr という並びが隠れています。

これ、日本語にもなっているカタカナ英語 プロパー(プロパー社員、プロパー価格)や プロパティ(不動産の物件、プログラミングのプロパティ=属性)と同じ仲間です。どれも芯にあるのは propr(proprius=自分のもの・その物に固有の)。ここに気づくと、appropriate の意味は丸暗記しなくてもすっと入ってきます。

この記事の主役は、その propr(自分のもの)。「自分のものにする」から「その場に固有にぴったり合う」、つまり「ふさわしい」へ・・・一本の線でつながっていきます。

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appropriate を分解してイメージで覚える|芯は propr(自分のもの)

appropriate をパーツで見ると、こうなります。

ap(ad=〜へ)+ propr(proprius=自分のもの・固有の)+ ate(〜にする)

覚え方はシンプルです。真ん中の propr を、プロパー・プロパティの propr と重ねてください。どちらも「自分のもの・その物ならではのもの」。そこに ap(〜へ)と ate(〜にする)がついて、「(何かを)自分のものにする」 が生まれます。

ここから意味が二方向に育ちます。

  • 動詞:自分のものにする ・・・ →「割り当てる」「(勝手に)自分のものにする」「(予算を)計上する」
  • 形容詞:その物に固有に、ぴったり合っている ・・・ →「ふさわしい」「適切な」

「自分のもの=その場・その目的にぴったり固有に合う」。この一歩が、appropriate が「適切な」になる理由です。

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appropriate の基本の意味と使い方

appropriate は、形容詞「ふさわしい・適切な」動詞「割り当てる・自分のものにする」 の二つの顔を持ちます。日常で目にするのは、圧倒的に形容詞のほうです。

形容詞(ふさわしい・適切な)

  • appropriate for the occasion(その場にふさわしい)
  • appropriate language(適切な言葉づかい)
  • Please dress appropriately.(ふさわしい服装で来てください)

動詞(割り当てる・自分のものにする)

  • appropriate funds for a project(プロジェクトに資金を割り当てる)
  • The committee appropriated the budget.(委員会が予算を計上した)

「適切な」を、ただ「正しい・OK」と訳すと少しズレます。芯は 「その状況に固有にぴったり合っている」。だから、同じ服でも結婚式には appropriate、ビーチには inappropriate、と場面ごとに変わるわけです。

二つの顔で発音が変わる|アプロプリエット と アプロプリエイト

appropriate は、形容詞と動詞で発音が割れる単語です。ここは知っておくと得をします。

  • 形容詞:アプロプリエット /əˈproʊpriət/(末尾は軽くあいまいに)
  • 動詞:アプロプリエイト /əˈproʊprieɪt/(末尾ははっきり「エイト」)

separate(形:セパレット/動:セパレイト)や moderate と同じ、綴りは同じで役割が変わると発音も変わるタイプです。リスニングで「エイト」とはっきり聞こえたら動詞、と見当がつきます。

propr(自分のもの)でつながる単語ネットワーク

appropriate の芯 propr(proprius=自分のもの・固有の)を知っておくと、まったく別ジャンルに見える単語が一気につながります。

単語意味イメージ
proper適切な、固有のその物に固有=ふさわしい
property財産、特性自分のもの/その物ならではの性質
proprietary専売の、独占的な自分だけのものにしている
propriety礼儀正しさ、妥当さその場に固有にかなっていること
appropriation充当、(予算の)計上、占有自分のもの・目的のものにすること
misappropriate横領する、着服するmis(誤って)+自分のものにする
expropriate(財産を)収用するex(外へ)=自分のものから引きはがす

「propr が入っていたら、たぶん”自分のもの・固有の”話」・・・そう見えるようになると、初見の単語でも意味を推測できます。

priv(自分だけの)でつながる単語ネットワーク|private の一族

もう一つ、形が似ていて意味も通じる「遠い親戚」がいます。*private(私的な)の一族です。

appropriate の芯 proprius をさかのぼると、ラテン語の “pro privo”(=個人のために)にたどり着き、その中に privus(自分だけの・個人の) がいます。この privus が、private たちの根です。

単語意味語源
private私的な、個人のprivus〈自分だけの〉
privacyプライバシーprivate から
privilege特権priv〈個人〉+leg〈法〉=自分だけに認められた権利
deprive奪うde〈引き離す〉+priv=自分のものから離す
privation欠乏、困窮奪われた状態

つまり appropriate(propr)と private(priv)は、「自分のもの」という意味を芯に持つ遠い親戚。形が似ているのは偶然ではなく、遠くで血がつながっているんです。

派生語|appropriate まわり

単語品詞意味発音
appropriate形容詞ふさわしい、適切なアプロプリエット /əˈproʊpriət/
appropriate動詞割り当てる、自分のものにするアプロプリエイト /əˈproʊprieɪt/
appropriately副詞適切にアプロプリエットリー /əˈproʊpriətli/
appropriateness名詞適切さアプロプリエットネス /əˈproʊpriətnəs/
appropriation名詞充当、(予算の)計上、占有アプロプリエイション /əˌproʊpriˈeɪʃən/
inappropriate形容詞不適切なイナプロプリエット /ˌɪnəˈproʊpriət/
misappropriate動詞横領する、着服するミサプロプリエイト /ˌmɪsəˈproʊprieɪt/
misappropriation名詞横領、不正流用ミサプロプリエイション /mɪsəˌproʊpriˈeɪʃən/

TOEIC・英検での出題傾向

appropriate は、日常でもビジネスでも頻出の実用語です。TOEIC では appropriate action(適切な対応)、as appropriate(必要に応じて)、appropriate for 〜(〜にふさわしい)といった形で、案内文やメールに繰り返し登場します。会計・予算まわりの長文では動詞・名詞の appropriation(計上・充当)も出ます。

反意語 inappropriate もセットで狙われます。英検では2級〜準1級で押さえておきたい一語です。

英文で確認|翻訳練習10問

英文を見たら一度止めて、和訳を書いてみてください。答え合わせは記事の最後にまとめてあります。

  1. Choose words appropriate for the moment.
  2. There is an appropriate time for everything.
  3. Kindness is always appropriate.
  4. What is appropriate for you may not be for someone else.
  5. Silence is sometimes the most appropriate answer.
  6. She found the appropriate words to comfort him.
  7. Give yourself an appropriate amount of rest.
  8. Sometimes the appropriate thing is simply to listen.
  9. The government appropriated funds for the schools.
  10. The town appropriated money to rebuild after the flood.

語源メモ|ad と proprius が出会う言葉

appropriate は、ラテン語 appropriare(自分のものにする)に由来します。分けると ad(〜へ)proprius(自分のもの・固有の)。「自分のほうへ引き寄せて、自分のものにする」が出発点で、そこから動詞「割り当てる・占有する」と、形容詞「(その場に固有に)ふさわしい」が育ちました。

この proprius こそ、proper・property・proprietary・propriety の共通の芯です。appropriate を入り口に、この一族へ広げていけます。

そして冒頭でも触れた private との縁。proprius はさらにさかのぼると “pro privo”(個人のために)で、そこに privus(自分だけの)がいます。

この privus が private・privacy・privilege・deprive の根です。appropriate と private は、直接の親子ではありませんが、「自分のもの」という意味を芯に共有する遠い親戚・・・そう整理しておくと、綴りの似かたにも納得がいきます。

まとめ

appropriate は、ap(ad=〜へ)+ propr(proprius=自分のもの)+ ate で「自分のものにする」。そこから「その場に固有にぴったり合う」=「ふさわしい・適切な」へ広がりました。

  • propr(proprius)・・・自分のもの・固有の。proper/property/proprietary/appropriation/misappropriate の一族へ
  • priv(privus)・・・自分だけの。private/privacy/privilege/deprive の一族へ(遠い親戚)
  • 形容詞は「アプロプリエット」、動詞は「アプロプリエイト」と発音が変わる

本当に自分のもの(propr)と呼べるのは、たぶん、あなたが「これがふさわしい」と選び取ったものだけです。

appropriate の語源ワードマップ。中心は appropriate(自分のもの→ふさわしい)で、ap(ad=〜へ)+propr(自分のもの)+ate に分解。覚え方フック(propr→プロパー・プロパティ)、propr一族(proper/property/proprietary/propriety/appropriation/misappropriate/expropriate)、遠い親戚の priv一族(private/privacy/privilege/deprive/privation)を整理した図。
  • 語源・中心:ap(ad=〜へ)+ propr(自分のもの)+ ate =「自分のものにする→ふさわしい」
  • 覚え方フック:propr → プロパー・プロパティ(自分のもの・固有の)
  • propr(自分のもの)一族:proper/property/proprietary/propriety/appropriation/misappropriate/expropriate
  • priv(自分だけの)一族(遠い親戚):private/privacy/privilege/deprive/privation

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翻訳練習の解答

  1. その瞬間にふさわしい言葉を選ぼう。
  2. 何事にも、ふさわしい時というものがある。
  3. 優しさは、いつだってふさわしい。
  4. あなたにふさわしいことが、ほかの誰かにもふさわしいとは限らない。
  5. 沈黙が、いちばんふさわしい答えになることもある。
  6. 彼女は、彼を慰めるのにふさわしい言葉を見つけた。
  7. 自分に、ふさわしいだけの休息をあげよう。
  8. ときに、いちばんふさわしいのは、ただ耳を傾けることだ。
  9. 政府は、学校のために資金を割り当てた(計上した)。
  10. 町は、洪水のあとの再建のために資金を割り当てた。