「cohesive(まとまりのある)」は、cohesion(結束)や coherent(首尾一貫した)と並ぶ、少し大人っぽい一語ですよね。綴りだけ見ると身構えてしまいますが、実はこの単語、動詞の形にすると中に知っている単語が顔を出します。
cohesive の動詞形は cohere。これを分けると co + here。・・・そう、here(ここ)です。
この「here が隠れている」という気づきを入り口にすると、丸暗記に頼らずに意味がすっと入ってきます。そしてこの単語の本当の意味の中心は、その here のあたり、つまり haerere(くっつく)。ここを押さえると、cohesive・cohere・adhere・adhesive、そして意外な hesitate まで、一本の線でつながります。
※ この記事は、姉妹編の adhere(くっつく・支持する)と同じ haerere 一族の話です。あわせて読むと、「くっつく」の家族がぐっと立体的になります。
【語源で覚える】adhere|”ここ(here)に、くっついて離れない”

cohere を分解してイメージで覚える|隠れた “here”
cohere をパーツで見ると、こうなります。
co(共に)+ here(ここ)
覚え方のコツを一つ。co は cooperate(協力する)や coworker(同僚)でおなじみの「共に・一緒に」。そこに here(ここ)を足すと、「ここに、一緒にいる・くっついている」。
バラバラだったものが同じ場所に集まって離れない・・・だから cohere は「まとまる・一貫する」。
その形容詞形が cohesive(まとまりのある・結束した) です。「みんなが”ここ”に一緒にくっついて、一つになっている」・・・この一枚の絵が、cohesive をひとことで表しています。
※ 正確には、この here にあたる部分はラテン語 haerere(くっつく)が正体で、英語の here(ここ・ゲルマン系)とは語源が別ルートです。綴りと意味がうまく重なるので、記憶の手がかりとして使っています(種明かしは後半の語源メモで)。
cohesive の基本の意味と使い方

cohesive は「まとまりのある」「結束した」を表す形容詞です。人の集まりにも、文章や計画のような抽象的なものにも使えます。
- a cohesive team(結束したチーム)
- a cohesive plan(筋の通った、まとまりのある計画)
- a cohesive whole(一つのまとまり)
例文で見てみましょう。
- The team was very cohesive.(そのチームは、とても結束していた)
- A cohesive essay has clear connections between ideas.(まとまりのあるエッセイは、考えと考えの間につながりがはっきりしている)
「ただ集まっている」のではなく、「バラバラにならず、くっついて一つになっている」というニュアンス。haerere(くっつく)を知ると、この密着した感じが腑に落ちます。
cohesive と coherent の使い分け
似ていてまぎらわしいのが coherent。どちらも同じ haerere 一族ですが、指す方向が少し違います。
- cohesive・・・人や部品が”物理的・社会的に”くっついてまとまっている(結束)。例:a cohesive group。
- coherent・・・話や論理が”筋として”つながっている(一貫性)。例:a coherent argument。
ざっくり言えば、cohesive は「くっついている」、coherent は「筋が通っている」。同じ「くっつく」でも、片方はモノ・人、片方は理屈、と分けて覚えると迷いません。
“haerere(くっつく)” でつながる単語ネットワーク
cohesive の意味の中心 haerere(くっつく・貼りつく)を知っておくと、別ジャンルに見える単語が一気につながります。この単語ならではの広がりです。
| 単語 | 意味 | イメージ |
|---|---|---|
| cohere | まとまる、一貫する | co(共に)+haerere=一緒にくっつく |
| cohesion | 結束、結合 | くっついて一つになった状態 |
| coherent | 首尾一貫した | co+haerere=話がくっついて筋が通る |
| adhere | くっつく、固執する | ad(〜へ)+haerere=ぴたっと貼りつく |
| adhesive | 接着剤/粘着性の | くっつかせるもの |
| inhere | 本来備わっている | in(中に)+haerere=性質が中にくっついている |
| hesitate | ためらう | その場に貼りついて、動けない |
いちばんの意外どころは hesitate。「ためらう」は、足が地面に貼りついて一歩が出ない感覚・・・これも「くっつく」の仲間なんです。「haerere/-here/-hes- が入っていたら、たぶん”くっつく”話」・・・そう見えるようになると、初見の単語でも意味が推測できます。
派生語|cohesive まわり
| 単語 | 品詞 | 意味 | 発音 |
|---|---|---|---|
| cohesive | 形容詞 | まとまりのある、結束した | コウヒーシヴ /koʊˈhiːsɪv/ |
| cohesively | 副詞 | まとまって、結束して | コウヒーシヴリー /koʊˈhiːsɪvli/ |
| cohesiveness | 名詞 | 結束性、まとまり | コウヒーシヴネス /koʊˈhiːsɪvnəs/ |
| cohere | 動詞 | まとまる、一貫する | コウヒア /koʊˈhɪr/ |
| cohesion | 名詞 | 結束、結合 | コウヒージョン /koʊˈhiːʒən/ |
TOEIC・英検での出題傾向
cohesive は、TOEIC の頻出単語帳の中心にいるタイプではありません。ただ、ビジネス文書やエッセイでは a cohesive team(結束したチーム)、a cohesive strategy(一貫した戦略)といった形で顔を出します。
むしろ大事なのは仲間の cohesion(結束)や coherent/coherence(一貫性)で、こちらはライティングやアカデミックな英語で評価に直結する語。英検なら準1級あたりで出会う、押さえておくと差がつく一語です。
英文で確認|翻訳練習10問
英文を見たら一度止めて、和訳を書いてみてください。答え合わせは記事の最後にまとめてあります。
- Our team is very cohesive.
- A cohesive plan makes the work easier.
- Your ideas feel more cohesive now.
- The group grew cohesive over time.
- A cohesive story keeps readers close.
- Small habits build a cohesive life.
- You can turn scattered notes into a cohesive whole.
- When we listen to each other, we become more cohesive.
- A cohesive family stays together through hard days.
- Keep your steps small and cohesive, and you’ll get there.
語源メモ|cohaerere=「共にくっつく」
cohesive は、ラテン語の動詞 cohaerere(共にくっつく) から来ています。分けると com(共に)+ haerere(くっつく・貼りつく)。その過去分詞の形 cohaes- に -ive が付いて、1730年ごろの英語で cohesive(=くっつく性質のある)として使われ始めました。cohesion・coherent も同じ cohaerere の家族です。
覚えておくと得なのが haerere。これは adhere・adhesive・inhere、それに hesitate(その場に貼りついて動けない→ためらう)など、たくさんの単語に共通する「くっつく」の核です。cohesive を入り口に、この一族へ広げていけます。
なお、入り口で使った here(ここ)は、あくまで記憶用の手がかりです。cohere の中の “-here” は正体が haerere(くっつく)で、英語の here(ゲルマン系)とは別ルート。綴りと「その場に留まる」というイメージがたまたまきれいに重なるので、ヒントとして拝借しています。
まとめ
cohesive は、co(共に)+ hes(haerere=くっつく)+ ive で「みんなが一緒にくっついて、まとまっている」=まとまりのある・結束した。
- co・・・共に。cooperate/coworker などでおなじみ
- haerere(-here/-hes-)・・・くっつく。cohere/cohesion/coherent/adhere/adhesive/inhere/hesitate の一族へ
- 入り口の here は、綴りが重なる「覚え方の手がかり」
バラバラなものが、同じ場所にくっついて一つになる。cohesive は、その「まとまり」を表す言葉です。

- 語源・中心:co(共に)+ hes(haerere=くっつく)+ ive =「一緒にくっついてまとまる」
- 覚え方のヒント:cohere → co + here(ここに一緒にくっつく)※here は記憶用
- haerere(くっつく)一族:cohere/cohesion/coherent/adhere/adhesive/inhere/hesitate
関連記事(内部リンク)
- adhere の語源(くっつく・支持する)→ [adhere記事のURLを挿入]
- coherent/coherence の語源(首尾一貫した)→ [URLを挿入]
- 【ピラー】英単語の語源・パーツ分解 全リスト → https://isseisuzuki.org/etymology-parts-list/
翻訳練習の解答例
- 私たちのチームは、とてもまとまりがある。
- まとまりのある計画があると、仕事はぐっと楽になる。
- あなたの考えは、前よりまとまって感じられる。
- そのグループは、時間をかけて結束していった。
- まとまりのある物語は、読み手を離さない。
- 小さな習慣が、まとまりのある人生をつくる。
- バラバラなメモも、あなたの手で一つのまとまりに変えられる。
- お互いの声に耳を傾けるとき、私たちはもっと一つになれる。
- 結束した家族は、つらい日々も一緒に乗り越えていく。
- 一歩一歩を小さく、そしてつなげていけば、あなたはきっとそこに行き着ける。

癒しの色彩心理 イッセーのホームページ
