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【語源で覚える】conceptual|コンセプトは「頭に取り込んで宿したもの」

著者情報
【著者:鈴木一世(イッセー)】

現役大学教員・カウンセラー。
  専門の「第二言語習得理論」と「心理学」に基づき、氷河期世代・非正規雇用・転職に関わるリスキリング戦略をデータで解説。挫折しそうな人のための、脳と心の攻略ガイド。  

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「コンセプト」という言葉は、もうすっかり日本語ですよね。お店のコンセプト、企画のコンセプト。毎日のように耳にします。

ところが、これが conceptual になったとたん、「えっと、どういう意味だっけ?」と手が止まる人は少なくありません。語尾が少し伸びただけなのに、急に遠い単語に見えてしまうんですね。

でも大丈夫です。真ん中にいる cept が「取る」だとわかれば、conceptual は一気に身近になります。しかもこの「取る」は、レシピやレシートといった、台所や財布の中にある言葉ともつながっています。

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conceptual を分解してイメージで覚える|真ん中の “cept” は「取る」

conceptual をパーツに分けると、こうなります。

con(しっかり)+ cept(取る)+ ual(〜に関する)

まず concept(コンセプト)は、「しっかり取り込んだもの」。外から入ってきた情報や思いつきを、頭の中にしっかり取り込んで、そこに宿したもの・・・それが concept です。

このイメージがいちばんよく見えるのが、動詞の conceive です。conceive には「(考えを)思いつく・心に抱く」という意味と、「身ごもる」という意味の両方があります。どちらも「中に取り込んで、宿す」という同じ絵です。アイデアは、頭の中に宿った小さな命のようなもの、と捉えると覚えやすくなります。

そして conceptual は、concept に「〜に関する」の ual が付いた形。「頭の中に宿した考えに関する」から、概念的な・構想上の という意味になります。まだ形になっていない、頭の中の段階のこと、と覚えておけば十分です。

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conceptual の基本の意味と使い方

conceptual は「概念の・概念的な」「構想上の」を表す形容詞です。具体的な形や細部に入る前の、「考え方・アイデアの段階」を指すときによく使います。

  • conceptual design(構想設計、基本デザイン)
  • conceptual framework(概念的な枠組み)
  • at the conceptual stage(構想の段階で)
  • conceptual art(コンセプチュアル・アート)

ビジネスなら「まだ構想段階です」、学問なら「概念のレベルでは」という場面で登場します。どちらも、「頭の中に取り込んで宿した考え」というイメージから外れていません。

conceptual と abstract・theoretical の違い

どれも「具体的ではない」方向の言葉ですが、立ち位置が少しずつ違います。

単語意味イメージ
conceptual概念的な、構想上のまだ頭の中の考え・アイデアの段階
abstract抽象的な具体的なものから離れて、ふわっとしている
theoretical理論上の理屈の上ではそうなる(実際は別かも)

conceptual は「これから形にしていく考え」という前向きな響きを持ちやすいのが特徴です。conceptual の反対側に置くなら、practical(実際的な)や concrete(具体的な)がわかりやすい相手です。

“cap/cept(取る)” でつながる単語ネットワーク

conceptual の真ん中の cept は、ラテン語 capere(取る)から来ています。この「取る」は、姿を cap/cept/cip/ceive/ceipt と変えながら、意外なカタカナ語にまで入り込んでいます。

単語意味イメージ
recipeレシピラテン語で「取れ!」。もとは処方箋の書き出しの言葉
receiptレシート、受領受け取ったもの
receive受け取るre(戻して)+取る
catchキャッチする、捕まえる取ろうとする → 捕まえる
capacityキャパ、収容力中に取り込める量
capture捕らえるしっかり取る
princeプリンス、王子一番(primus)を取る人
accept受け入れるad(〜へ)+取る
except〜を除いてex(外へ)+取る → 取り出す
perceive気づく、知覚するper(すっかり)+取る → つかみ取る
occupy占める場所を取る
participate参加するpart(部分)+取る → 分け前を取る

レシピとレシートが同じ一族、というのは意外ですよね。病院の処方箋に書かれる ℞ のマークも、実はこの recipe(取れ!)の略です。「cap/cept/cip/ceive が入っていたら、たぶん『取る』の話」・・・そう見えるようになると、初めての単語でも意味の見当がつくようになります。

派生語|conceptual まわり

単語品詞意味発音
concept名詞概念、コンセプトカーンセプト /ˈkɑːnsept/
conceptual形容詞概念的な、構想上のカンセプチュアル /kənˈseptʃuəl/
conceptually副詞概念的にカンセプチュアリ /kənˈseptʃuəli/
conceptualize動詞概念化する、構想するカンセプチュアライズ /kənˈseptʃuəlaɪz/
conceive動詞思いつく、心に抱く、身ごもるカンシーヴ /kənˈsiːv/
conceivable形容詞考えられるカンシーヴァブル /kənˈsiːvəbl/
inconceivable形容詞想像もつかないインカンシーヴァブル /ˌɪnkənˈsiːvəbl/
conception名詞構想、考え方、受胎カンセプション /kənˈsepʃən/
misconception名詞誤解、思い違いミスカンセプション /ˌmɪskənˈsepʃən/
preconception名詞先入観プリーカンセプション /ˌpriːkənˈsepʃən/

concept は頭(コン)にアクセント、conceptual や conception は後ろ(セ)にアクセントが移ります。カタカナの「コンセプト」の感覚のまま読むと通じにくいので、ここだけ注意してください。

TOEIC・英検での出題傾向

conceptual は、どちらかというと学術・専門寄りの単語です。TOEIC では、プロジェクトや製品開発の文書で conceptual design や at the conceptual stage といった形で見かけることがありますが、頻出とまでは言えません。

むしろ出会いやすいのは、英検準1級〜1級の長文や、大学のテキスト・論文です。ただ、元の concept は TOEIC でも日常でもよく使うので、「concept を知っていれば conceptual は読める」状態にしておくのがいちばん効率的です。

英文で確認|翻訳練習10問

英文を見たら一度止めて、和訳を書いてみてください。答え合わせは記事の最後にまとめてあります。

  1. This is still a conceptual design.
  2. She explained the conceptual framework in simple words.
  3. Every great product starts at the conceptual stage.
  4. Your idea is still conceptual, but it has real power.
  5. The difference is more conceptual than practical.
  6. Conceptual thinking helps you see the big picture.
  7. Conceptual art values the idea more than the object.
  8. Let’s start with a conceptual sketch before we build anything.
  9. You don’t need every detail yet; a conceptual understanding is enough for now.
  10. Everything real was once conceptual.

語源メモ|concipere と capere

concept・conceive・conceptual は、すべてラテン語の concipere(中に取り込んで保つ、身ごもる)に由来します。分けると con-(おそらく強めの意味) と capere(取る)。con- は「一緒に」と説明されることもありますが、ここでは「しっかり」と強める働きと見るのが自然です。

concept は、古典ラテン語で「思い描かれたもの」を意味した conceptum から。conceive は古フランス語を経て英語に入り、最初は「身ごもる」の意味で使われ、のちに「頭の中に考えを抱く」意味が広がりました。conceptual はずっと新しく、19世紀に定着した語で、もっぱら頭の中の意味で使われ、身体的な意味ではほとんど使われてきませんでした。

「取る」の capere は、綴りを大きく変えるのが特徴です。cap(capacity, capture)、cept(accept, except)、cip(recipe, participate, principal)、ceive(receive, perceive)。receipt の p は綴りに残っていますが、発音しません(レシート)。

  • recipe:ラテン語 recipere(受け取る)の命令形「取れ!」。医師が処方箋の冒頭に書いた言葉で、薬局の ℞ もその名残です。料理の作り方の意味は、そのあとに広がりました。
  • prince:ラテン語 princeps から。primus(第一の)+ capere(取る)で「一番の位置を取る者」。
  • catch:俗ラテン語 *captiare(捕まえようとする、追う)から。chase(追いかける)とは、同じ語から分かれた兄弟です。

まとめ

conceptual は、con(しっかり)+ cept(取る)+ ual(〜に関する)で、「頭の中にしっかり取り込んで宿した考えに関する」=概念的な・構想上の。

  • concept・・・頭の中に取り込んで宿したもの(コンセプト)
  • conceive・・・思いつく、心に抱く(そして、身ごもる)
  • cap/cept(取る)一族・・・レシピ、レシート、キャッチ、キャパ、プリンスまで

いま形になっているものも、はじめはどこかで誰かの頭の中に宿った、ひとつの考えでした。conceptual は、その「宿ったばかりの段階」を表す言葉です。

conceptual の語源ワードマップ。中心は conceptual(=頭に取り込んで宿した考えに関する)で、con(しっかり)+cept(取る)+ual に分解。concept系(concept / conceive / conception / conceptualize / misconception)、cap/cept(取る)系(recipe / receipt / catch / capacity / prince / accept)、覚え方のヒント(アイデアは頭に宿った小さな命)の4クラスタに整理した図。
  • 語源・中心:con(しっかり)+ cept(取る)+ ual =「頭の中に取り込んで宿した考えに関する」
  • concept 一族:concept/conceive/conception/conceptualize/misconception
  • cap/cept(取る)一族:recipe/receipt/catch/capacity/prince/accept
  • 覚え方のヒント:アイデアは、頭に宿った小さな命

関連記事

翻訳練習の解答

  1. これはまだ、構想段階のデザインだ。
  2. 彼女はその概念的な枠組みを、やさしい言葉で説明した。
  3. どんな優れた製品も、構想の段階から始まる。
  4. あなたのアイデアはまだ頭の中の段階。でも、確かな力がある。
  5. その違いは、実際上というより概念上のものだ。
  6. 概念で考える力は、全体像をつかむ助けになる。
  7. コンセプチュアル・アートは、作品という物よりも、込められた考えを大切にする。
  8. 何かを作る前に、まず構想のスケッチから始めよう。
  9. 細かいところまで、まだ全部わからなくていい。今は、考え方をつかめれば十分だ。
  10. いま形あるものも、すべてはじめは構想だった。

集録語彙リスト

この単語は NAWL(学術) と BSL(ビジネス) の両方に集録されています。学術英語でもTOEICでも頻出する、汎用性の高い一語です。

NAWL(New Academic Word List)集録語

この単語は New Academic Word List(NAWL) に集録されています。NAWLは大規模な学術コーパスから抽出された960語のリストで、これらを覚えるだけで学術英語の約92%をカバーできます。論文や英字ニュースを読むとき、必ず出会う一語です。出典:New General Service List Project

BSL(Business Service List)集録語

この単語は Business Service List(BSL) に集録されています。BSLはビジネス英語のコーパスから抽出された1,700語のリストで、これらを覚えればビジネス文書・会議・メールで使われる語彙の約97%をカバーできます。仕事で英語を使う場面で効いてくる一語です。
出典:New General Service List Project