自分の言いたいことを英語にする場合、英単語が出て来ない、もともと知らないということがよくあります。こういう場合日本人にありがちなのは「黙る」「逃げる」のいずれかではないでしょうか。
実は、コミュニケーションを促進する方法やスキルというのがあり、これをコミュニケーション方略と呼びます。「黙る」「逃げる」というのは、avoidanceと言って、立派なコミュニケーション方略ではあります。ただ、それではお互い、気まずい思いをすることになってしまうので、できれば避けたいところです。
そこで思い出していただきたいのが、ルー大柴さんやDenglish(出川英語)の例です。身振り手振りなどの、ノン・バーバル・コミュニケーションも、方略の1つです。また、知っている単語を並べて表現を作ってしまうことをword coinage(コインの鋳造 コインを作ること)と言います。
冷蔵庫という単語が出て来ない場合、あなたならどうしますか? たとえば、「cool box」と言って、身振りで大きな冷蔵庫の形を伝えたら、相手が「fridge?(refrigerator)」と言ってくれるかもしれません。あなたは、そこで「fridge」を「冷蔵庫」と覚えればいいわけです。
こうした場面を切り抜ける時覚える英語は、頭に残りやすいのです。印象に残る出来事と一緒に起こることは、記憶に残りやすいと言われます(エピソード記憶)。自分がうまくコミュニケーション方略を使って、言いたいことを伝えた時、使った英語は頭に残りやすいのです。
スマホを持っていれば、冷蔵庫をググってその画像を相手に見せることでも十分コミュニケーションは続くものです。このように、知らないから黙る、のではなく、伝えたいことが、どうすれば伝わるのかを考えること、そして英語でコミュニケーションを継続することで英語はどんどんできるようになっていきます。
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