PR

アウトプットを前提とした5文型から3文型への発想転換

 英文を文型に分ける考え方の代表は「5文型」です。5つの文型を知っていれば、文の構造がわかりやすくなり、英文の理解ができると言われますが、果たしてそうでしょうか。この記事では、便利なはずの5文型がなぜか英語の理解の妨げになっている理由を考えます。そして、英語のアウトプットには3つの文型だけ頭に入れればよいことについてまとめます。

スポンサーリンク

英語の文型は5文型から3文型へ

 英語の文型を5つに分ける方法は、古くから提唱されています。でも実際のところ、英語の文型は3つだけ知って入れば十分足りるのです。しかも、「理解」ではなく、アウトプットで使ってみて初めて文型のありがたみがわかるのです。その理由を以下簡単にまとめながら、「英語3文型」の考え方について説明をします。

中学校の問題集によく出る英語5文型例文一覧

 中学校、高校では、5文型を次のように説明します。

第1文型:(SV): He sleeps.(彼は寝る)

第2文型:(SVC): She became a teacher.(彼女は先生だ)

第3文型:(SVO): I eat an apple.(私はリンゴを食べる)

第4文型:(SVOO):He gave me a book.(彼は私に本をくれた)

第5文型:(SVOC): They made him captain.(彼らは彼をキャプテンにした)

 ここで疑問です。第2文型と第3文型って、形は同じじゃないでしょうか? 同様に第4文型と第5文型も形は同じじゃないでしょうか? さらに5文型をわかりにくくしているのが、SVOCというアルファベットです。S=主語 V=動詞句 O=目的語 C=補語。こんなふうに説明されます。この4つのアルファベットの理解だけでもわけがわかりません。ちなみに、この5つの文型を記号を使って書き直してみます。

第1文型: He ( sleeps ).

第2文型:  She (became) a teacher.

第3文型:  I (eat) an apple.

第4文型:  He (gave) me a book.

第5文型:  They (made) him captain.

 結局のところ、単語をはずして記号だけ残すと次のようになります。

第1文型: ___ ( 動詞 ).

第2文型: ___ ( 動詞 ) _______.

第3文型:  ________  (  動詞   ) ______.

第4文型:________  (  動詞   ) ______    __________.

第5文型:________  (   動詞  ) ______    __________.

 やっぱり、第2文型と第3文型、それに第4文型と第5文型は同じ文型でした。結局英語の文型は3つであることがわかります。

第1文型: ___ ( 動詞 ).

第2文型: ___ ( 動詞 ) _______.

第3文型:________  (  動詞   ) ______    __________.

SVOOとSVOCの違いって? 問題集に出てくる英語の文法用語と説明

 SVOOの場合、SVO(間接目的語)O(直接目的語)と説明されます。関節目的語は人を、直接目的語は物をあらわす場合が多いとも言われます。

 SVOCの場合、SVO(目的語)C(補語)であり、補語は目的語を説明する言葉と説明されます。目的語=補語という関係が成り立つとも説明されます。

 だから何? って感じです。

英文が長くなる理由 英語の5文型がわかりにい理由2

先ほどの英文ですが、意味を付け足していくと永遠に長くなります。

第1文型: He  sleeps on the bed from 10 p.m. to 7 a.m. every day.

第2文型:  Luckily she became a teacher soon after she graduated from the university.

第3文型:  I sometimes eat an apple in the bedroom.

第4文型:  Fortunately he gave me a book before I passed the examination.

第5文型:  After a long discussion they made him captain on the soccer team.

 付け加えた部分を青で表示してみましょう。

第1文型: He  (sleeps) on the bed from 10 p.m. to 7 a.m. every day.

第2文型:  Luckily she (became) a teacher soon after she graduated from the university.

第3文型:  I sometimes (eat) an apple in the bedroom.

第4文型:  Fortunately he (gave) me a book before I passed the examination.

第5文型:  After a long discussion they (made) him captain on the soccer team.

 こうすれば、「この文型は第〇文型かな?」ということが多少わかりやすくなります。が、こんな表示をしてくれることはほとんどありません。このように、英文に意味を付け加えれば付け加えるほど長くなり、どの文型なのかの区別が付きにくくなってしまうのです。

英語3文型の考え方

 先ほど記号で示した3つの文型を思い出してみて下さい。

第1文型: ___ ( 動詞 ).

第2文型: ___ ( 動詞 ) _______.

第3文型:________  (   動詞  ) ______    __________.

 (  )の中に入るのは動詞です。(  )の前の______には主語が入ります。これだけ覚えておけば、英語の3文型を使って基本的な英文を作ることができます。その他の___に単語(語句)を入れて、英文の意味を考えてみるだけです。

第1文型: Birds (tweet).  
        (さえずる)→ 鳥がさえずる

第2文型: I  (love)  you.  
        (愛する) あなた → 私はあなたを愛する

第3文型: Your love (keeps) me  warm.  
      あなたの愛(保つ)私 暖かく→あなたの愛が私を暖かく保ってくれる

      My friend (gave) me a birthday present.  
      友だち(与えた) 誕生日プレゼント→友だちが誕生日プレゼントをくれた

 例文をネットで調べたり、ChatGPTに英文を作ってもらった後、上のように___と( )を付けるだけで文型がはっきりします。あとは付け加える部分を知っていれば、英文は無限に長くなります。(1)から(3)の部分に付け足す語句を入れるだけです。

第1文型: (1) He  (2) (sleeps) (3).

第2文型:  (1) she (2) (became) a teacher (3).

第3文型:  (1) I (2) (eat) an apple (3).

第4文型:  (1) he (2) (gave) me a book (3).

第5文型:  (1) they (2) (made) him captain (3).

 これを頭に入れて先ほどの英文で、青で表示した部分をもう1度見てみましょう

第1文型: He  (sleeps) on the bed from 10 p.m. to 7 a.m. every day.

第2文型:  Luckily she  (became)  a teacher soon after she graduated from the university.

第3文型:  I sometimes (eat) an apple in the bedroom.

第4文型:  Fortunately he  (gave)  me  a book  before I passed the examination.

第5文型:  After a long discussion  they  (made)  him  captain  on the soccer team.

 文型としては第2文型と第3文型は同じですし、第4文型と第5文型も同じです。ですので、結局英語の文型は3つわかっていれば基本的な英文が作れることになります。

 ここで賢明な方なら気が付いたはずです。

第1文型: He (sleeps) on the bed.

第2文型: She (became) a teacher.

第3文型:  He  (gave) me a book.

 この第1文形と第2文型は、同じじゃね? と。

 実は英文法の世界ではいろいろな議論があって、おおざっぱに言うと、第1文型と第2文型を同じ仲間に入れるという分析をする学者がいたことは確かです。ですから、究極的に考えると、英語の文型は2つしかないということにもなります。そういう理解でも問題はないのです。

アウトプットを先にやれば、英語の文型は簡単に理解できる!

 5文型がわかりにくいのは、O目的語やC(補語)という文法用語の問題だったり、見た目は同じ文型なのに、違う文型として説明が長ったらしいのが原因であるということです。英語を使うという場合、文型の理解をするより先に基本的なフォーマットやひな形を使い、そこに語句を当てはめていく練習法の方が圧倒的にわかりやすいのです。

 初歩の段階では、次のような手順をふめばよいでしょう。

  1. 使いたい動詞をさがす。
  2. その動詞を使った例文を探す。
  3. 3つの文型に当てはめてみる ___ ( 動詞 ) _____. など
  4. 付け足したい語句を(1)から(3)までに入れてみる。 
    (1) _____ (2) ( 動詞  ) ________ (3) . または
    (1) _____ (2) ( 動詞 ) ________  ______ (3) .

4. は省略しても構いません。基本的な文型をふまえて主語と動詞を入れる。調べた例文を参考に、自分が表現したい内容で語句を入れ替える。それだけです。英語を使うという場合、文型を完璧に理解し、分類することはあまり重要ではありません。英語の文の語順だけきちんと合っていれば十分伝わるのです。

 ちなみに、過去形を知らなくても最初は問題ありません。yesterdayなど、過去をあらわす語句があればそれで意味は通じます。なかなか使えるようにならない3単現の-sも抜けていて構いません。あなたが英語で自分を表現する機会が増えれば増えるほと、そうした小さなミスは自分で修正できるようになるのです。

どんどん英語を使って理解を深めよう

 これまで教わって来たやり方では、「理解してから英語を使う」というようになっていなかったでしょうか。英語に限らず語学は、「使いながら理解する」が正解です。3文型をもとにして、どんどん英語を使ってみて下さい。使うほど、「もっと知りたい」という意欲が湧いてくるはずです。

 「あなたの英語、ここが間違っているよ」と言うのは、実は日本人だけです。内容が伝われば、相手は必ずリアクションしてくれるものです。思い切って英語を使って自分を表現していきましょう。

関連リンク:

PR>>>

https://amzn.to/4dSoJA8
https://amzn.to/4ebBpSm
タイトルとURLをコピーしました