こちらもおなじみのカタカナ語、トータル(total)。いろいろな派生語がありますので、よく目を通しておいて下さい。
totalの派生語
単語 | 意味 | 発音(カタカナ表記) |
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total | 合計、全体の | トータル |
totally | 完全に、全く | トータリー |
totality | 全体、全額 | トータリティ |
totalize | 合計する、全体化する | トータライズ |
subtotal | 小計 | サブトータル |
totalizer | 合計器、計数器 | トータライザー |
totalitarian | 全体主義の | トータリタリアン |
totalitarianism | 全体主義 | トータリタリアニズム |
totalの語源的意味
「total(トータル)」という言葉は、私たちが日常でよく使う「全部」「合計」という意味を持っていますが、その語源をたどると、興味深い歴史があります。その語源と意味について説明していきますね。
まず、「total」という言葉の起源は、ラテン語の「totus(トトゥス)」にさかのぼります。「totus」は「全体」「すべて」という意味を持つ言葉でした。この「totus」という単語は、古代ローマ時代に使われていた言葉で、物事の「全て」や「完全さ」を表現するために使われていたのです。つまり、何かが欠けることなく「全部がそろっている」という状態を指していました。
その後、「totus」はフランス語を通じて「total(トタル)」という形に変わり、やがて英語の「total」となりました。中世のフランス語では「tout(トゥ)」という形で「すべて」や「完全な」という意味を表していましたが、ここから「total」という単語が派生して、英語に取り入れられることになったのです。
現代の英語で「total」という言葉は、「合計」や「完全なもの」を意味します。たとえば、何かを数えたり集めたりして、そのすべてを合わせたものを「total」と言います。たとえば、「total amount(トータルアマウント)」と言えば、「合計金額」や「総額」という意味になります。このように、totalは「全てを合わせたもの」というニュアンスを持っているのです。
もう一つ面白い点は、「total」という言葉が「完全に」とか「すっかり」という意味でも使われることです。たとえば、「It was a total surprise.(それは完全な驚きだった)」のように使うと、「完全に驚いた」という意味になります。ここでも「すべて」「全体」を指す「total」の基本的な意味が生きているのがわかります。
また、「total」の使い方には「全体的な視点」というものも含まれています。何かを部分ではなく全体として捉えるときに、「total」という言葉が使われるのです。たとえば、数学で数字を全部足し合わせた結果を「total」と言いますが、それは「部分的な数」ではなく「全体の数」を見ているからです。
このように、語源をたどっていくと、「total」という言葉は古代ラテン語の「totus」から始まり、「全て」「完全なもの」という意味を持ち続けてきたことがわかります。現代でもその意味が変わらずに使われているので、「total」という言葉を見るときには「すべて」「完全」「全体」というイメージを持つと理解しやすいでしょう。
ですから、私たちが何かを「total」と言うとき、それは単に「多い」や「たくさん」ではなく、「一つ残らず全部」という意味が含まれているのです。この点を理解しておくと、「total」という言葉を使うときにその本当の意味やニュアンスをしっかりと伝えることができるようになるでしょう。