「コンセプト」という言葉は、もうすっかり日本語ですよね。お店のコンセプト、企画のコンセプト。毎日のように耳にします。
ところが、これが conceptual になったとたん、「えっと、どういう意味だっけ?」と手が止まる人は少なくありません。語尾が少し伸びただけなのに、急に遠い単語に見えてしまうんですね。
でも大丈夫です。真ん中にいる cept が「取る」だとわかれば、conceptual は一気に身近になります。しかもこの「取る」は、レシピやレシートといった、台所や財布の中にある言葉ともつながっています。
conceptual を分解してイメージで覚える|真ん中の “cept” は「取る」
conceptual をパーツに分けると、こうなります。
con(しっかり)+ cept(取る)+ ual(〜に関する)
まず concept(コンセプト)は、「しっかり取り込んだもの」。外から入ってきた情報や思いつきを、頭の中にしっかり取り込んで、そこに宿したもの・・・それが concept です。
このイメージがいちばんよく見えるのが、動詞の conceive です。conceive には「(考えを)思いつく・心に抱く」という意味と、「身ごもる」という意味の両方があります。どちらも「中に取り込んで、宿す」という同じ絵です。アイデアは、頭の中に宿った小さな命のようなもの、と捉えると覚えやすくなります。
そして conceptual は、concept に「〜に関する」の ual が付いた形。「頭の中に宿した考えに関する」から、概念的な・構想上の という意味になります。まだ形になっていない、頭の中の段階のこと、と覚えておけば十分です。
conceptual の基本の意味と使い方
conceptual は「概念の・概念的な」「構想上の」を表す形容詞です。具体的な形や細部に入る前の、「考え方・アイデアの段階」を指すときによく使います。
- conceptual design(構想設計、基本デザイン)
- conceptual framework(概念的な枠組み)
- at the conceptual stage(構想の段階で)
- conceptual art(コンセプチュアル・アート)
ビジネスなら「まだ構想段階です」、学問なら「概念のレベルでは」という場面で登場します。どちらも、「頭の中に取り込んで宿した考え」というイメージから外れていません。
conceptual と abstract・theoretical の違い
どれも「具体的ではない」方向の言葉ですが、立ち位置が少しずつ違います。
| 単語 | 意味 | イメージ |
|---|---|---|
| conceptual | 概念的な、構想上の | まだ頭の中の考え・アイデアの段階 |
| abstract | 抽象的な | 具体的なものから離れて、ふわっとしている |
| theoretical | 理論上の | 理屈の上ではそうなる(実際は別かも) |
conceptual は「これから形にしていく考え」という前向きな響きを持ちやすいのが特徴です。conceptual の反対側に置くなら、practical(実際的な)や concrete(具体的な)がわかりやすい相手です。
“cap/cept(取る)” でつながる単語ネットワーク
conceptual の真ん中の cept は、ラテン語 capere(取る)から来ています。この「取る」は、姿を cap/cept/cip/ceive/ceipt と変えながら、意外なカタカナ語にまで入り込んでいます。
| 単語 | 意味 | イメージ |
|---|---|---|
| recipe | レシピ | ラテン語で「取れ!」。もとは処方箋の書き出しの言葉 |
| receipt | レシート、受領 | 受け取ったもの |
| receive | 受け取る | re(戻して)+取る |
| catch | キャッチする、捕まえる | 取ろうとする → 捕まえる |
| capacity | キャパ、収容力 | 中に取り込める量 |
| capture | 捕らえる | しっかり取る |
| prince | プリンス、王子 | 一番(primus)を取る人 |
| accept | 受け入れる | ad(〜へ)+取る |
| except | 〜を除いて | ex(外へ)+取る → 取り出す |
| perceive | 気づく、知覚する | per(すっかり)+取る → つかみ取る |
| occupy | 占める | 場所を取る |
| participate | 参加する | part(部分)+取る → 分け前を取る |
レシピとレシートが同じ一族、というのは意外ですよね。病院の処方箋に書かれる ℞ のマークも、実はこの recipe(取れ!)の略です。「cap/cept/cip/ceive が入っていたら、たぶん『取る』の話」・・・そう見えるようになると、初めての単語でも意味の見当がつくようになります。
派生語|conceptual まわり
| 単語 | 品詞 | 意味 | 発音 |
|---|---|---|---|
| concept | 名詞 | 概念、コンセプト | カーンセプト /ˈkɑːnsept/ |
| conceptual | 形容詞 | 概念的な、構想上の | カンセプチュアル /kənˈseptʃuəl/ |
| conceptually | 副詞 | 概念的に | カンセプチュアリ /kənˈseptʃuəli/ |
| conceptualize | 動詞 | 概念化する、構想する | カンセプチュアライズ /kənˈseptʃuəlaɪz/ |
| conceive | 動詞 | 思いつく、心に抱く、身ごもる | カンシーヴ /kənˈsiːv/ |
| conceivable | 形容詞 | 考えられる | カンシーヴァブル /kənˈsiːvəbl/ |
| inconceivable | 形容詞 | 想像もつかない | インカンシーヴァブル /ˌɪnkənˈsiːvəbl/ |
| conception | 名詞 | 構想、考え方、受胎 | カンセプション /kənˈsepʃən/ |
| misconception | 名詞 | 誤解、思い違い | ミスカンセプション /ˌmɪskənˈsepʃən/ |
| preconception | 名詞 | 先入観 | プリーカンセプション /ˌpriːkənˈsepʃən/ |
concept は頭(コン)にアクセント、conceptual や conception は後ろ(セ)にアクセントが移ります。カタカナの「コンセプト」の感覚のまま読むと通じにくいので、ここだけ注意してください。
TOEIC・英検での出題傾向
conceptual は、どちらかというと学術・専門寄りの単語です。TOEIC では、プロジェクトや製品開発の文書で conceptual design や at the conceptual stage といった形で見かけることがありますが、頻出とまでは言えません。
むしろ出会いやすいのは、英検準1級〜1級の長文や、大学のテキスト・論文です。ただ、元の concept は TOEIC でも日常でもよく使うので、「concept を知っていれば conceptual は読める」状態にしておくのがいちばん効率的です。
英文で確認|翻訳練習10問
英文を見たら一度止めて、和訳を書いてみてください。答え合わせは記事の最後にまとめてあります。
- This is still a conceptual design.
- She explained the conceptual framework in simple words.
- Every great product starts at the conceptual stage.
- Your idea is still conceptual, but it has real power.
- The difference is more conceptual than practical.
- Conceptual thinking helps you see the big picture.
- Conceptual art values the idea more than the object.
- Let’s start with a conceptual sketch before we build anything.
- You don’t need every detail yet; a conceptual understanding is enough for now.
- Everything real was once conceptual.
語源メモ|concipere と capere
concept・conceive・conceptual は、すべてラテン語の concipere(中に取り込んで保つ、身ごもる)に由来します。分けると con-(おそらく強めの意味) と capere(取る)。con- は「一緒に」と説明されることもありますが、ここでは「しっかり」と強める働きと見るのが自然です。
concept は、古典ラテン語で「思い描かれたもの」を意味した conceptum から。conceive は古フランス語を経て英語に入り、最初は「身ごもる」の意味で使われ、のちに「頭の中に考えを抱く」意味が広がりました。conceptual はずっと新しく、19世紀に定着した語で、もっぱら頭の中の意味で使われ、身体的な意味ではほとんど使われてきませんでした。
「取る」の capere は、綴りを大きく変えるのが特徴です。cap(capacity, capture)、cept(accept, except)、cip(recipe, participate, principal)、ceive(receive, perceive)。receipt の p は綴りに残っていますが、発音しません(レシート)。
- recipe:ラテン語 recipere(受け取る)の命令形「取れ!」。医師が処方箋の冒頭に書いた言葉で、薬局の ℞ もその名残です。料理の作り方の意味は、そのあとに広がりました。
- prince:ラテン語 princeps から。primus(第一の)+ capere(取る)で「一番の位置を取る者」。
- catch:俗ラテン語 *captiare(捕まえようとする、追う)から。chase(追いかける)とは、同じ語から分かれた兄弟です。
まとめ
conceptual は、con(しっかり)+ cept(取る)+ ual(〜に関する)で、「頭の中にしっかり取り込んで宿した考えに関する」=概念的な・構想上の。
- concept・・・頭の中に取り込んで宿したもの(コンセプト)
- conceive・・・思いつく、心に抱く(そして、身ごもる)
- cap/cept(取る)一族・・・レシピ、レシート、キャッチ、キャパ、プリンスまで
いま形になっているものも、はじめはどこかで誰かの頭の中に宿った、ひとつの考えでした。conceptual は、その「宿ったばかりの段階」を表す言葉です。

- 語源・中心:con(しっかり)+ cept(取る)+ ual =「頭の中に取り込んで宿した考えに関する」
- concept 一族:concept/conceive/conception/conceptualize/misconception
- cap/cept(取る)一族:recipe/receipt/catch/capacity/prince/accept
- 覚え方のヒント:アイデアは、頭に宿った小さな命
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翻訳練習の解答
- これはまだ、構想段階のデザインだ。
- 彼女はその概念的な枠組みを、やさしい言葉で説明した。
- どんな優れた製品も、構想の段階から始まる。
- あなたのアイデアはまだ頭の中の段階。でも、確かな力がある。
- その違いは、実際上というより概念上のものだ。
- 概念で考える力は、全体像をつかむ助けになる。
- コンセプチュアル・アートは、作品という物よりも、込められた考えを大切にする。
- 何かを作る前に、まず構想のスケッチから始めよう。
- 細かいところまで、まだ全部わからなくていい。今は、考え方をつかめれば十分だ。
- いま形あるものも、すべてはじめは構想だった。
集録語彙リスト
この単語は NAWL(学術) と BSL(ビジネス) の両方に集録されています。学術英語でもTOEICでも頻出する、汎用性の高い一語です。
NAWL(New Academic Word List)集録語
この単語は New Academic Word List(NAWL) に集録されています。NAWLは大規模な学術コーパスから抽出された960語のリストで、これらを覚えるだけで学術英語の約92%をカバーできます。論文や英字ニュースを読むとき、必ず出会う一語です。出典:New General Service List Project
BSL(Business Service List)集録語
この単語は Business Service List(BSL) に集録されています。BSLはビジネス英語のコーパスから抽出された1,700語のリストで、これらを覚えればビジネス文書・会議・メールで使われる語彙の約97%をカバーできます。仕事で英語を使う場面で効いてくる一語です。
出典:New General Service List Project

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