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【語源で覚える】effect|動画の「エフェクト」は、いちばん新しい意味だった

著者情報
【著者:鈴木一世(イッセー)】

現役大学教員・カウンセラー。
  専門の「第二言語習得理論」と「心理学」に基づき、氷河期世代・非正規雇用・転職に関わるリスキリング戦略をデータで解説。挫折しそうな人のための、脳と心の攻略ガイド。  

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動画編集アプリを開くと、たいてい「エフェクト」というボタンがあります。SNSの加工フィルターも、ゲームの演出も、エフェクト。日本語の中では、ほぼ「見た目や音の演出」という意味で固定されていますよね。

ところがこの effect、英語での中心の意味は「効果」「結果」です。演出どころか、むしろ理科や統計、契約書で出てくる、かなり実務寄りの単語。

そして面白いのは順番です。effect という語の中で、「演出・エフェクト」は実はいちばん新しくできた意味。14世紀から使われてきたこの語に、その意味がくっついたのは19世紀末のことでした。

どうしてそうなるのか。分解すると一瞬でわかります。

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effect を分解してイメージで覚える|ef(外へ)+fect(作る)

effect のパーツはこうです。

ef(ex=外へ)+ fect(facere=作る・する)

つまり「外に作り出されたもの」。

何かをすると、その結果が外に出てくる。薬を飲めば体に変化が出る。ルールを決めれば現場が変わる。その「外に出てきたぶん」が effect です。だから「効果」であり「結果」。

ef- は、もとは ex-(外へ)です。後ろに f が来たので発音しやすいように ef- になりました。export(外へ運ぶ)、exit(外へ出る)の ex と同じものだと思ってください。

この「外に出てきたもの」という中心をつかむと、英語の effect がカバーする範囲が一本につながります。

  • 薬の effect ・・・飲んだ結果、体に外に出てきたもの=効果
  • cause and effect ・・・原因から外に出てきたもの=結果
  • take effect ・・・外に出て働きはじめる=発効する
  • sound effect ・・・作り出して外に聞こえさせるもの=音響効果

いちばん最後、「エフェクト」もちゃんと同じ線の上にいます。ただ、順番としては末っ子です。

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effect の基本の意味と使い方

effect は「効果」「結果」「影響」を表す名詞です。動詞で「もたらす・成し遂げる」の意味もありますが、使用頻度は名詞が圧倒的に高めです。

  • have an effect on 〜(〜に効果・影響がある)
  • side effect(副作用)
  • take effect / come into effect(効力を持つ、発効する)
  • in effect(事実上、実質的には)
  • special effects / sound effects(特殊効果・音響効果)

もう一つ、知っておくと得なのが複数形の effects。これ、「所持品・身の回り品」という意味になります。空港や保険の書類で見る personal effects がそれです。

  • Please collect your personal effects.(お手回り品をお受け取りください。)

「結果」が、どうして「持ち物」になるのか。1704年、フランス語 effets の用法をまねて入った意味で、もともとは「行動の結果として手に入れたもの」というニュアンスでした。働いた結果、外に出てきた財産・・・そう考えると、ちゃんと ef(外へ)+fect(作る)の線上です。 etymonline

effect と affect の使い分け|語源で一発整理

英語学習でいちばん混乱するのが、この2語です。でも語源を見ると、迷いどころが消えます。

単語分解イメージ品詞の主戦場
effectex(外へ)+fect(作る)外に出てきた結果名詞「効果・結果」
affectad(〜へ)+fect(作る)相手に向かって働きかける動詞「影響を与える」

affect はラテン語 afficere「〜に対して何かをする」から。ad「〜へ」+ facereです。向かっていくのが affect、出てくるのが effect。方向が逆なんですね。 etymonline

  • The weather affects my mood.(天気は気分に影響する=天気が気分に向かって働きかける)
  • The weather has an effect on my mood.(天気は気分に影響がある=その結果が出ている)

ad(〜へ)と ex(外へ)。この2つの前置詞の向きを思い出せば、テストでも迷いません。

effect・effective・effectiveness|形が伸びても中身は同じ

effect に -ive が付くと effective(効果的な)、さらに -ness が付くと effectiveness(有効性・効果の高さ)になります。

  • effect(名詞)・・・効果そのもの
  • effective(形容詞)・・・効果を出せる
  • effectiveness(名詞)・・・どれくらい効果を出せるか

effective は14世紀後半、古フランス語 effectif を経てラテン語 effectivus から。effectiveness はそこに -ness が付いて1600年ごろにできました。 etymonline

ビジネスの現場で「エフェクティブ」と言うときの感覚と、ほぼそのまま重なります。長く見えますが、中身は effect のまま・・・そう思えば、綴りの長さに身構えなくて済みます。

ちなみに effectively には「効果的に」のほかに「事実上・実質的には」という使い方もあります。in effect と同じ流れです。

efficient・efficacy|綴りが化けても、同じ efficere

ここが effect の広がりで、いちばん「へぇ」となるところです。

efficient(効率的な)は、ラテン語 efficiens(efficere の現在分詞)から。efficacy(有効性)は、efficere の語幹から出た efficax を経たラテン語 efficacia から。 etymonlineetymonline

つまり effect・efficient・efficacy は、全部おなじ efficere から出た兄弟です。

単語意味もとの形
effect効果、結果effectus(efficere の過去分詞)
effective効果的なeffectivus
efficient効率的なefficiens(現在分詞)
efficiency効率efficientia
efficacy有効性efficacia

ラテン語では、語の中に入ると a が i に変わる癖があります(facere → -ficere)。だから ef-fect と ef-fici-ent で見た目が違う。でも「ef(外へ)+作る」という骨格は、1ミリも変わっていません。

発音も押さえておきましょう。efficacy は エフィカシー /ˈefɪkəsi/、最初にアクセントが来ます。effect(イフェクト)につられて「エフィカシー」の真ん中を強く読んでしまう人が多いので、ここだけ注意です。

心理学で「自己効力感」を self-efficacy と言います。「自分は結果を出せる」という感覚のこと。これも ef(外へ)+fect の一族です。

-fect・-fic・-fy でつながる単語ネットワーク

facere(作る・する)は、英語の中でとてつもなく大きな一族を作っています。effect はその一員です。

-fect で終わる仲間

単語意味分解
perfect完全なper(すっかり)+fect=すっかり作り終えた
defect欠陥de(離れて)+fect=作りから外れた
infect感染させるin(中へ)+fect=中に作り込む
affect影響を与えるad(〜へ)=向かって働きかける
prefect長官、監督生pre(前に)+fect=前に立てられた人

-fic・-fy の仲間(facere が中に入った形)

単語意味イメージ
sufficient十分な下から作って足りている
deficient不足した作りが足りない
proficient熟達した前へ作り進んだ
magnificent壮大な大きく作られた
simplify単純化する単純に作り変える
qualify資格を与える質を作る
identify特定する同一だと作り出す

「-fect・-fic・-fy が見えたら、たぶん”作る”の話」・・・この感覚ができると、初見の単語でも半分は読めます。fact(事実=作られたもの)、factory(工場)、fashion も、たどれば同じ facere です。

派生語|effect まわり

単語品詞意味発音
effect名詞・動詞効果、結果/もたらすイフェクト /ɪˈfekt/
effects名詞(複数)所持品、特殊効果イフェクツ /ɪˈfekts/
effective形容詞効果的な、有効なイフェクティブ /ɪˈfektɪv/
effectively副詞効果的に/事実上イフェクティブリ /ɪˈfektɪvli/
effectiveness名詞有効性、効果の高さイフェクティブネス /ɪˈfektɪvnəs/
ineffective形容詞効果のないイニフェクティブ /ˌɪnɪˈfektɪv/
effectual形容詞効き目のあるイフェクチュアル /ɪˈfektʃuəl/
efficient形容詞効率的なイフィシェント /ɪˈfɪʃnt/
efficiency名詞効率イフィシェンシー /ɪˈfɪʃnsi/
efficacy名詞有効性エフィカシー /ˈefɪkəsi/

TOEIC・英検での出題傾向

effect まわりは、TOEICでは頻出中の頻出です。とくに出やすい形を挙げておきます。

  • effective date(発効日)・・・契約・規約の文書で定番
  • take effect / come into effect(発効する)・・・お知らせ文で頻出
  • cost-effective(費用対効果の高い)・・・社内メール・提案書で頻出
  • side effect(副作用)・・・製品説明で
  • effectiveness(有効性)・・・調査報告・プレゼンの読解で

Part 5 では、effect(名詞)と affect(動詞)の品詞判別がそのまま問われることがあります。空所の前に a / an / the があれば effect、主語の直後なら affects・・・という形で見分けられます。

英検では effect・effective が準2級〜2級レベル、effectiveness・efficiency は2級〜準1級の語彙問題やライティングで役立つ一語です。

英文で確認|翻訳練習10問

英文を見たら一度止めて、和訳を書いてみてください。答え合わせは記事の最後にまとめてあります。

  1. Small daily habits have a real effect.
  2. Your kind words had a quiet effect on me.
  3. The new rule takes effect next Monday.
  4. This method is simple, but very effective.
  5. We measured the effectiveness of the program.
  6. You are more effective than you think.
  7. A short break is an effective way to reset.
  8. Effective communication starts with listening.
  9. The change had no effect at first, and then it did.
  10. Every effort you make has an effect somewhere.

語源メモ|effectus と、意味が増えていった順番

effect は14世紀半ば、「(行為の)実行・完了」の意味で英語に入りました。古フランス語 efet(現代仏語 effet)経由で、もとはラテン語 effectus「達成・遂行」。これは efficere「やり遂げる」の過去分詞幹で、ex「外へ」+ facere「作る・する」(印欧祖語の語根 *dhe-「置く」)に分かれます。 etymonline

意味が増えていった順番を並べると、この語の性格がよく見えます。

  • 14世紀半ば ・・・ 実行、完了
  • 14世紀後半 ・・・ 「意図した結果を生む力」、そして「何かから生じるもの=結果」。in effect(実は・実際には)もこの時期
  • 15世紀初め ・・・ 意図した結果、目的
  • 1704年 ・・・ 複数形 effects で「財産・所持品」 etymonline
  • 1736年 ・・・ 「見る人に与える印象」。そして1881年ごろ、stage effect・sound effect のような「演出」の意味

カタカナの「エフェクト」が指しているのは、いちばん下の層です。約500年かけて「実行→結果→印象→演出」と伸びてきた枝の、いちばん先端だけが日本語に入ってきた・・・そう考えると、英語の effect が「効果・結果」中心なのも納得できます。

なお、affect との混同は英語ネイティブにもよくある話で、辞書にも「2つの動詞は互いに入り混じっていて完全には分けられない」という趣旨の注が載るほどです。それでも ad(〜へ)と ex(外へ)という方向の違いを押さえておけば、実用上は迷いません。

まとめ

effect は、ef(ex=外へ)+ fect(facere=作る) で「外に作り出されたもの」=効果・結果。

  • ef(ex)・・・外へ。export/exit と同じ向き
  • fect(facere)・・・作る・する。fact/factory/perfect/defect の一族
  • affect との違い・・・ad(向かっていく)か ex(出てくる)か
  • efficient・efficacy ・・・綴りが化けても、同じ efficere

動画の「エフェクト」は、この長い枝のいちばん先っぽ。でも根っこは「やったことが、外に形になって出てくる」というシンプルな一語です。

あなたが今日やった小さなことも、どこかで外に出てきます。それが effect です。

effect の語源ワードマップ。中心は effect(=外に作り出されたもの、効果・結果)で、
ef(ex=外へ)+fect(facere=作る)に分解。effect 一族(effective / effectiveness /
effectively / efficient / efficiency / efficacy)、-fect・-fic 一族(perfect / defect /
infect / affect / sufficient / proficient)、覚え方のヒント(エフェクト=外に出てきた
結果、affect は ad=向かっていく・effect は ex=出てくる)の4クラスタに整理した図。
  • 語源・中心:ef(ex=外へ)+ fect(facere=作る)=「外に作り出されたもの」
  • 覚え方のヒント:エフェクト=外に出てきた結果。演出の意味はいちばん新しい
  • effect 一族:effective/effectiveness/effectively/ineffective/effectual/efficient/efficiency/efficacy
  • -fect・-fic 一族:perfect/defect/infect/affect/sufficient/proficient/magnificent

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【タイパ最強】英単語の語源・パーツ分解全リスト|語源×記憶フックで芋づる式に覚える
英単語を最小限の労力でマスターする「語源+パーツ分解」の全リスト。学術的に正確な語源データと、タイパ(時短)を追求した記憶フックを完全分離して掲載。芋づる式に派生語を暗記し、実務やニュースで使える英語力を最速で身につけましょう。

翻訳練習の解答

  1. 毎日の小さな習慣には、ちゃんと効果がある。
  2. あなたのやさしい言葉は、静かに私に効いていた。
  3. 新しい規則は、来週の月曜から効力を持つ。
  4. この方法はシンプルだが、とてもよく効く。
  5. 私たちは、そのプログラムの有効性を測定した。
  6. あなたは、自分で思っているよりずっと力を出せている。
  7. 短い休憩は、頭を切り替える効果的な方法だ。
  8. 効果的なコミュニケーションは、聞くことから始まる。
  9. その変化は最初こそ何も起こさなかったが、やがて効いてきた。
  10. あなたの重ねた努力は、どこかで必ず形になる。

effectiveness 集録語彙リスト

派生語のeffectivenessは NAWL(学術)・TSL(TOEIC)・BSL(ビジネス)のすべて に集録されています。学術・試験・実務のどの場面でも使われる、最優先で覚えたい一語です。

NAWL(New Academic Word List)集録語

この単語は New Academic Word List(NAWL) に集録されています。NAWLは大規模な学術コーパスから抽出された960語のリストで、これらを覚えるだけで学術英語の約92%をカバーできます。論文や英字ニュースを読むとき、必ず出会う一語です。出典:New General Service List Project

TSL(TOEIC Service List)集録語

この単語は TOEIC Service List(TSL) に収録されています。TSLはTOEICの出題語彙を分析して作られた1,200語のリストで、これらを押さえればテストに出る語彙の約99%をカバーできます。スコアアップに直結する一語です。
出典:New General Service List Project

BSL(Business Service List)集録語

この単語は Business Service List(BSL) に集録されています。BSLはビジネス英語のコーパスから抽出された1,700語のリストで、これらを覚えればビジネス文書・会議・メールで使われる語彙の約97%をカバーできます。仕事で英語を使う場面で効いてくる一語です。
出典:New General Service List Project