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【語源で覚える】closure|店先の「CLOSED」が、そのまま意味の中心

著者情報
【著者:鈴木一世(イッセー)】

現役大学教員・カウンセラー。
  専門の「第二言語習得理論」と「心理学」に基づき、氷河期世代・非正規雇用・転職に関わるリスキリング戦略をデータで解説。挫折しそうな人のための、脳と心の攻略ガイド。  

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飲食店やカフェの入り口に下がっている「CLOSED」の札。あれを見て「ああ、今日は閉まってるのか」とわかる人は多いと思います。

では、closure はどうでしょう。TOEIC のお知らせ文やニュースでよく出てくるわりに、見た瞬間に意味が浮かぶ人は意外と少ない・・・そんな一語です。

でも実は、答えは最初から札に書いてあります。closure の中には close がまるごと入っていて、意味の中心も同じ「閉じる」。うしろに -ure が付いて「閉じること」になっただけなんです。

知っているのに、気づいていなかった。closure はそういう単語です。そして、この「閉じる」を手がかりにすると、include・exclude・conclude、さらにはディスクロージャー(情報開示)まで、まとめてつながっていきます。

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closure を分解してイメージで覚える|看板の CLOSED がそのまま残っている

closure をパーツで見ると、こうなります。

clos(閉じる)+ ure(〜すること・〜した状態)

-ure は、動詞を「〜すること」という名詞に変える部品です。press(押す)→ pressure(圧力)、mix(混ぜる)→ mixture(混合物)、fail(失敗する)→ failure(失敗)。同じ作り方で、close → closure=「閉じること」。

店先の CLOSED は「閉じた状態」。それを名詞にしたのが closure で、「閉鎖」「終了」になります。さらにそこから「気持ちに区切りがついた状態」という意味まで広がっていきます。

覚え方はシンプルです。看板を思い出せば、意味の半分はもう手元にある。

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closure の基本の意味と使い方

closure は名詞で、大きく3つの顔があります。

① 閉鎖(施設・道路・店)

  • the closure of the factory(工場の閉鎖)
  • a road closure(道路の通行止め)
  • school closures(休校)

② 終了・締めくくり

  • the closure of the account(口座の解約)
  • the closure of the investigation(調査の終了)

③ 気持ちの区切り

  • She finally found closure.(彼女はようやく気持ちの区切りをつけた)
  • You need closure.(あなたには、区切りが必要だ)

もうひとつ、「蓋・留め具」そのものを指す使い方もあります(a bottle closure=ボトルのキャップ)。これも「閉じるもの」ですから、根っこは同じです。

closure・closing・closed の使い分け

この3つは見た目が近いぶん、混ざりやすいところです。

語品詞使いどころ
closure名詞閉鎖そのもの。公式・恒久的なニュアンス。store closure=店をたたむ
closing名詞・形容詞閉める動作・時間。closing time(閉店時刻)、closing remarks(締めの挨拶)
closed形容詞今まさに閉まっている状態。The shop is closed today.

目安はこうです。今日だけ閉まっているのは closed。店そのものをたたむのが closure。

-clude/-clusion でつながる単語ネットワーク

ラテン語 claudere(閉じる)は、前に部品がくっつくと -clude という形に変わります。この変化を知っておくと、見た目はバラバラな単語が一気に同じ家族に見えてきます。

単語意味イメージ
include含むin(中に)+clude=中に閉じ込める
exclude除外するex(外に)+clude=外に閉め出す
conclude結論を出す、終えるcon(すっかり)+clude=すっかり閉じる
preclude妨げる、不可能にするpre(前もって)+clude=先回りして閉ざす
seclude隔離するse(離して)+clude=引き離して閉じ込める
occludeふさぐ(医学・歯科)ob(〜に対して)+clude=塞ぐ
exclusive独占的な、会員制の他を外に閉め出している
inclusive包括的な中に入れて閉じる
recluse世捨て人re(引っこんで)+clus=閉じこもった人

「インクルーシブ」が「閉じる」の仲間だというのは、ちょっと意外かもしれません。でも、中に入れて外に出さない・・・だから「含む」。言われてみれば、そのままですよね。

「-clude で終わる動詞は、たぶん閉じる話」。 こう覚えておくと、初めて見る単語でも見当がつきます。

clos/claus でつながる単語ネットワーク

もう一方の、綴りに clos・claus が残ったグループです。

単語意味イメージ
close閉じる/近い「すきまを閉じた」から「近い」へ
closed閉まったあの看板
closet戸棚、クローゼット閉じた小部屋
disclose明かす、公開するdis(逆)+close=閉じるの反対
disclosure開示、ディスクロージャーclosure のちょうど裏返し
enclose同封する、囲むen(中に)+close
enclosure同封物、囲い地閉じ込めたもの
clause条項、節文を区切って閉じるところ
cloister回廊、修道院閉ざされた場所
claustrophobia閉所恐怖症claustrum(閉ざされた場所)+phobia

ここで面白いのが disclosure。企業のニュースで「ディスクロージャー(情報開示)」としておなじみですが、closure に dis(逆)が付いただけ。「閉じること」と「開けること」が、たった3文字の差で並んでいます。

そしてもうひとつ。クローズアップ(close-up)の close は「近い」という意味ですが、これも元は同じ「閉じる」です。すきまを閉じていくと、距離が縮まる・・・そこから「近い」になりました。発音は、閉じる close が /kloʊz/、近い close が /kloʊs/ と濁りが変わります。

遠い親戚|clav(鍵)の一族

もう少し遠くまで行くと、ラテン語 clavis(鍵)の一族にたどりつきます。claudere(閉じる)と clavis(鍵)は、同じ印欧祖語の語根 *klau-(かんぬき・フック)にさかのぼるとされています。鍵とかんぬきで閉ざす・・・同じ家族なのも、納得のいく話です。

単語意味イメージ
clef音部記号(ト音記号など)楽譜を読むための「鍵」
clavicle鎖骨小さな鍵=肩を留める留め金
conclave教皇選挙会議con(一緒に)+clavis=鍵をかけた部屋
enclave飛び地中に閉じ込められた土地
autoclave高圧滅菌器蒸気で自分から締まる蓋

※ この語根の意味については「フック・かんぬき」とする説と「閉じる」とする説があり、辞書によって扱いが分かれます。断言はできませんが、グループとしてのつながりは広く認められています。

closure のもう一つの顔|心理学の「クロージャー」

closure には、心理学の用語としての顔もあります。

ひとつは、ゲシュタルト心理学の「閉合(closure)」。少し欠けた円を見ても、私たちの目は勝手に円として見てしまう・・・あの働きのことです。この意味は1924年ごろから使われるようになりました。欠けたところを閉じて、ひとつのまとまりにしてしまう。これも「閉じる」のイメージそのままです。

もうひとつが、日常会話でよく使う「気持ちの区切り」としての closure。find closure、get closure といった形で登場します。終わったことを、終わったこととして受け取れるようになる・・・その状態を指します。

単語の意味を「閉鎖」とだけ覚えていると出てこない使い方ですが、「閉じる」を中心に置いておけば、どちらも同じ線の上にあることが見えてきます。

派生語 Word Family

単語品詞意味発音
closure名詞閉鎖、終了、区切りクロージャー /ˈkloʊʒər/
close動詞閉じるクローズ /kloʊz/
close形容詞近い、親しいクロース /kloʊs/
closed形容詞閉まった、閉ざされたクローズド /kloʊzd/
closing名詞・形容詞閉店、締めくくりのクロージング /ˈkloʊzɪŋ/
disclosure名詞開示ディスクロージャー /dɪsˈkloʊʒər/
enclosure名詞同封物、囲い地エンクロージャー /ɪnˈkloʊʒər/

TOEIC・英検での出題傾向

closure は、TOEIC では Part 7 の告知文・社内連絡で定番の語です。office closure(オフィス閉鎖)、temporary closure(一時休業)、road closure(通行止め)、the closure of the branch(支店の閉鎖)といった形で、名詞句ごと覚えておくと読むスピードが上がります。Part 4 の館内アナウンスでも出てきます。

英検では準1級あたりで見かける語です。2級までの受験なら最優先ではありませんが、closed・closing との使い分けまで押さえておくと、読解で迷いません。

英文で確認|翻訳練習10問

英文を見たら一度止めて、和訳を書いてみてください。答え合わせは記事の最後にまとめてあります。

  1. The sign says “CLOSED,” but the closure is only for today.
  2. The road closure will end tomorrow morning.
  3. Our company announced the closure of the old branch.
  4. She found closure after writing the last letter.
  5. You deserve closure, and you can take your time.
  6. The closure of one door often opens another.
  7. Please check the closure times before you visit.
  8. He felt real closure when he finally said thank you.
  9. Closure does not mean forgetting. It means moving on.
  10. Every closure is also a quiet beginning.

語源メモ|clausura と claudere

closure が英語に入ったのは14世紀後半。古フランス語の closure(囲い・閉じるもの・垣根)からで、当時の意味は「柵」「仕切り」でした。

さらにさかのぼると、後期ラテン語の clausura(錠・とりで・閉じること)。これはラテン語 claudere(閉じる、塞ぐ、終わらせる、閉じ込める)の過去分詞 clausus からできた名詞です。

「閉じる行為・終わらせること」という今の意味が出てくるのは15世紀の初め。議会で「討論の打ち切り」を指す使い方もあり、のちにフランス語から入った cloture(クローチャー)は、たどれば同じ古フランス語にさかのぼる closure の双子です。心理学の「まとまった全体として見ようとする働き」の意味は1924年、ゲシュタルト心理学から来ています。

覚えておくと得なのは、claudere が複合語になると -cludere(英語では -clude) の形をとるという点です。in+claudere → include、ex+claudere → exclude、con+claudere → conclude。綴りが変わるので別単語に見えますが、中身は全部「閉じる」です。

まとめ

closure は、clos(閉じる)+ -ure(〜すること)で「閉じること」=閉鎖・終了・区切り。

  • 意味の中心・・・ラテン語 claudere(閉じる)。店先の CLOSED と同じ
  • -clude の一族・・・include/exclude/conclude/preclude/seclude/exclusive
  • clos・claus の一族・・・close/closet/disclosure/enclosure/clause/claustrophobia
  • 遠い親戚・・・clavis(鍵)から clef/clavicle/conclave/enclave

看板の CLOSED を思い出せば、closure はもう半分わかっている。そこから -clude をたどれば、含む・除く・結論を出すまで、ひとつながりで見えてきます。

closure の語源ワードマップ。中心は closure(=閉じること/閉鎖・終了・区切り)で、
clos(claudere=閉じる)+-ure に分解。語源・中心、-clude 系(include / exclude /
conclude / preclude / seclude / exclusive)、clos・claus 系(close / closet /
disclosure / enclosure / clause / claustrophobia)、覚え方のヒント(店先の看板
CLOSED がそのまま入っている)の4クラスタに整理した図。
  • 語源・中心:clos(claudere=閉じる)+ure =「閉じること」
  • 覚え方のヒント:店先の看板 CLOSED がそのまま入っている
  • -clude 一族:include/exclude/conclude/preclude/seclude/exclusive
  • clos・claus 一族:close/closet/disclosure/enclosure/clause/claustrophobia
  • clav(鍵)一族:clef/clavicle/conclave/enclave/autoclave

関連記事

翻訳練習の解答例

  1. 看板には「CLOSED」と出ているが、閉まっているのは今日だけだ。
  2. その道路の通行止めは、明日の朝に解除される。
  3. うちの会社は、古い支店を閉鎖すると発表した。
  4. 最後の手紙を書き終えて、彼女はようやく気持ちの区切りをつけた。
  5. あなたには区切りをつける資格がある。急がなくていい。
  6. ひとつの扉が閉じると、別の扉が開くことも多い。
  7. 訪れる前に、閉館時間を確認しておいてください。
  8. 最後に「ありがとう」と言えたとき、彼はやっと本当に区切りがついた気がした。
  9. 区切りをつけることは、忘れることではない。前に進むということだ。
  10. どの終わりも、静かな始まりでもある。

集録語彙リスト

この単語は NAWL(学術)・TSL(TOEIC)・BSL(ビジネス)のすべて に集録されています。学術・試験・実務のどの場面でも使われる、最優先で覚えたい一語です。

NAWL(New Academic Word List)集録語

この単語は New Academic Word List(NAWL) に集録されています。NAWLは大規模な学術コーパスから抽出された960語のリストで、これらを覚えるだけで学術英語の約92%をカバーできます。論文や英字ニュースを読むとき、必ず出会う一語です。出典:New General Service List Project

TSL(TOEIC Service List)集録語

この単語は TOEIC Service List(TSL) に収録されています。TSLはTOEICの出題語彙を分析して作られた1,200語のリストで、これらを押さえればテストに出る語彙の約99%をカバーできます。スコアアップに直結する一語です。
出典:New General Service List Project

BSL(Business Service List)集録語

この単語は Business Service List(BSL) に集録されています。BSLはビジネス英語のコーパスから抽出された1,700語のリストで、これらを覚えればビジネス文書・会議・メールで使われる語彙の約97%をカバーできます。仕事で英語を使う場面で効いてくる一語です。
出典:New General Service List Project