飲食店やカフェの入り口に下がっている「CLOSED」の札。あれを見て「ああ、今日は閉まってるのか」とわかる人は多いと思います。
では、closure はどうでしょう。TOEIC のお知らせ文やニュースでよく出てくるわりに、見た瞬間に意味が浮かぶ人は意外と少ない・・・そんな一語です。
でも実は、答えは最初から札に書いてあります。closure の中には close がまるごと入っていて、意味の中心も同じ「閉じる」。うしろに -ure が付いて「閉じること」になっただけなんです。
知っているのに、気づいていなかった。closure はそういう単語です。そして、この「閉じる」を手がかりにすると、include・exclude・conclude、さらにはディスクロージャー(情報開示)まで、まとめてつながっていきます。
closure を分解してイメージで覚える|看板の CLOSED がそのまま残っている
closure をパーツで見ると、こうなります。
clos(閉じる)+ ure(〜すること・〜した状態)
-ure は、動詞を「〜すること」という名詞に変える部品です。press(押す)→ pressure(圧力)、mix(混ぜる)→ mixture(混合物)、fail(失敗する)→ failure(失敗)。同じ作り方で、close → closure=「閉じること」。
店先の CLOSED は「閉じた状態」。それを名詞にしたのが closure で、「閉鎖」「終了」になります。さらにそこから「気持ちに区切りがついた状態」という意味まで広がっていきます。
覚え方はシンプルです。看板を思い出せば、意味の半分はもう手元にある。
closure の基本の意味と使い方
closure は名詞で、大きく3つの顔があります。
① 閉鎖(施設・道路・店)
- the closure of the factory(工場の閉鎖)
- a road closure(道路の通行止め)
- school closures(休校)
② 終了・締めくくり
- the closure of the account(口座の解約)
- the closure of the investigation(調査の終了)
③ 気持ちの区切り
- She finally found closure.(彼女はようやく気持ちの区切りをつけた)
- You need closure.(あなたには、区切りが必要だ)
もうひとつ、「蓋・留め具」そのものを指す使い方もあります(a bottle closure=ボトルのキャップ)。これも「閉じるもの」ですから、根っこは同じです。
closure・closing・closed の使い分け
この3つは見た目が近いぶん、混ざりやすいところです。
| 語 | 品詞 | 使いどころ |
|---|---|---|
| closure | 名詞 | 閉鎖そのもの。公式・恒久的なニュアンス。store closure=店をたたむ |
| closing | 名詞・形容詞 | 閉める動作・時間。closing time(閉店時刻)、closing remarks(締めの挨拶) |
| closed | 形容詞 | 今まさに閉まっている状態。The shop is closed today. |
目安はこうです。今日だけ閉まっているのは closed。店そのものをたたむのが closure。
-clude/-clusion でつながる単語ネットワーク
ラテン語 claudere(閉じる)は、前に部品がくっつくと -clude という形に変わります。この変化を知っておくと、見た目はバラバラな単語が一気に同じ家族に見えてきます。
| 単語 | 意味 | イメージ |
|---|---|---|
| include | 含む | in(中に)+clude=中に閉じ込める |
| exclude | 除外する | ex(外に)+clude=外に閉め出す |
| conclude | 結論を出す、終える | con(すっかり)+clude=すっかり閉じる |
| preclude | 妨げる、不可能にする | pre(前もって)+clude=先回りして閉ざす |
| seclude | 隔離する | se(離して)+clude=引き離して閉じ込める |
| occlude | ふさぐ(医学・歯科) | ob(〜に対して)+clude=塞ぐ |
| exclusive | 独占的な、会員制の | 他を外に閉め出している |
| inclusive | 包括的な | 中に入れて閉じる |
| recluse | 世捨て人 | re(引っこんで)+clus=閉じこもった人 |
「インクルーシブ」が「閉じる」の仲間だというのは、ちょっと意外かもしれません。でも、中に入れて外に出さない・・・だから「含む」。言われてみれば、そのままですよね。
「-clude で終わる動詞は、たぶん閉じる話」。 こう覚えておくと、初めて見る単語でも見当がつきます。
clos/claus でつながる単語ネットワーク
もう一方の、綴りに clos・claus が残ったグループです。
| 単語 | 意味 | イメージ |
|---|---|---|
| close | 閉じる/近い | 「すきまを閉じた」から「近い」へ |
| closed | 閉まった | あの看板 |
| closet | 戸棚、クローゼット | 閉じた小部屋 |
| disclose | 明かす、公開する | dis(逆)+close=閉じるの反対 |
| disclosure | 開示、ディスクロージャー | closure のちょうど裏返し |
| enclose | 同封する、囲む | en(中に)+close |
| enclosure | 同封物、囲い地 | 閉じ込めたもの |
| clause | 条項、節 | 文を区切って閉じるところ |
| cloister | 回廊、修道院 | 閉ざされた場所 |
| claustrophobia | 閉所恐怖症 | claustrum(閉ざされた場所)+phobia |
ここで面白いのが disclosure。企業のニュースで「ディスクロージャー(情報開示)」としておなじみですが、closure に dis(逆)が付いただけ。「閉じること」と「開けること」が、たった3文字の差で並んでいます。
そしてもうひとつ。クローズアップ(close-up)の close は「近い」という意味ですが、これも元は同じ「閉じる」です。すきまを閉じていくと、距離が縮まる・・・そこから「近い」になりました。発音は、閉じる close が /kloʊz/、近い close が /kloʊs/ と濁りが変わります。
遠い親戚|clav(鍵)の一族
もう少し遠くまで行くと、ラテン語 clavis(鍵)の一族にたどりつきます。claudere(閉じる)と clavis(鍵)は、同じ印欧祖語の語根 *klau-(かんぬき・フック)にさかのぼるとされています。鍵とかんぬきで閉ざす・・・同じ家族なのも、納得のいく話です。
| 単語 | 意味 | イメージ |
|---|---|---|
| clef | 音部記号(ト音記号など) | 楽譜を読むための「鍵」 |
| clavicle | 鎖骨 | 小さな鍵=肩を留める留め金 |
| conclave | 教皇選挙会議 | con(一緒に)+clavis=鍵をかけた部屋 |
| enclave | 飛び地 | 中に閉じ込められた土地 |
| autoclave | 高圧滅菌器 | 蒸気で自分から締まる蓋 |
※ この語根の意味については「フック・かんぬき」とする説と「閉じる」とする説があり、辞書によって扱いが分かれます。断言はできませんが、グループとしてのつながりは広く認められています。
closure のもう一つの顔|心理学の「クロージャー」
closure には、心理学の用語としての顔もあります。
ひとつは、ゲシュタルト心理学の「閉合(closure)」。少し欠けた円を見ても、私たちの目は勝手に円として見てしまう・・・あの働きのことです。この意味は1924年ごろから使われるようになりました。欠けたところを閉じて、ひとつのまとまりにしてしまう。これも「閉じる」のイメージそのままです。
もうひとつが、日常会話でよく使う「気持ちの区切り」としての closure。find closure、get closure といった形で登場します。終わったことを、終わったこととして受け取れるようになる・・・その状態を指します。
単語の意味を「閉鎖」とだけ覚えていると出てこない使い方ですが、「閉じる」を中心に置いておけば、どちらも同じ線の上にあることが見えてきます。
派生語 Word Family
| 単語 | 品詞 | 意味 | 発音 |
|---|---|---|---|
| closure | 名詞 | 閉鎖、終了、区切り | クロージャー /ˈkloʊʒər/ |
| close | 動詞 | 閉じる | クローズ /kloʊz/ |
| close | 形容詞 | 近い、親しい | クロース /kloʊs/ |
| closed | 形容詞 | 閉まった、閉ざされた | クローズド /kloʊzd/ |
| closing | 名詞・形容詞 | 閉店、締めくくりの | クロージング /ˈkloʊzɪŋ/ |
| disclosure | 名詞 | 開示 | ディスクロージャー /dɪsˈkloʊʒər/ |
| enclosure | 名詞 | 同封物、囲い地 | エンクロージャー /ɪnˈkloʊʒər/ |
TOEIC・英検での出題傾向
closure は、TOEIC では Part 7 の告知文・社内連絡で定番の語です。office closure(オフィス閉鎖)、temporary closure(一時休業)、road closure(通行止め)、the closure of the branch(支店の閉鎖)といった形で、名詞句ごと覚えておくと読むスピードが上がります。Part 4 の館内アナウンスでも出てきます。
英検では準1級あたりで見かける語です。2級までの受験なら最優先ではありませんが、closed・closing との使い分けまで押さえておくと、読解で迷いません。
英文で確認|翻訳練習10問
英文を見たら一度止めて、和訳を書いてみてください。答え合わせは記事の最後にまとめてあります。
- The sign says “CLOSED,” but the closure is only for today.
- The road closure will end tomorrow morning.
- Our company announced the closure of the old branch.
- She found closure after writing the last letter.
- You deserve closure, and you can take your time.
- The closure of one door often opens another.
- Please check the closure times before you visit.
- He felt real closure when he finally said thank you.
- Closure does not mean forgetting. It means moving on.
- Every closure is also a quiet beginning.
語源メモ|clausura と claudere
closure が英語に入ったのは14世紀後半。古フランス語の closure(囲い・閉じるもの・垣根)からで、当時の意味は「柵」「仕切り」でした。
さらにさかのぼると、後期ラテン語の clausura(錠・とりで・閉じること)。これはラテン語 claudere(閉じる、塞ぐ、終わらせる、閉じ込める)の過去分詞 clausus からできた名詞です。
「閉じる行為・終わらせること」という今の意味が出てくるのは15世紀の初め。議会で「討論の打ち切り」を指す使い方もあり、のちにフランス語から入った cloture(クローチャー)は、たどれば同じ古フランス語にさかのぼる closure の双子です。心理学の「まとまった全体として見ようとする働き」の意味は1924年、ゲシュタルト心理学から来ています。
覚えておくと得なのは、claudere が複合語になると -cludere(英語では -clude) の形をとるという点です。in+claudere → include、ex+claudere → exclude、con+claudere → conclude。綴りが変わるので別単語に見えますが、中身は全部「閉じる」です。
まとめ
closure は、clos(閉じる)+ -ure(〜すること)で「閉じること」=閉鎖・終了・区切り。
- 意味の中心・・・ラテン語 claudere(閉じる)。店先の CLOSED と同じ
- -clude の一族・・・include/exclude/conclude/preclude/seclude/exclusive
- clos・claus の一族・・・close/closet/disclosure/enclosure/clause/claustrophobia
- 遠い親戚・・・clavis(鍵)から clef/clavicle/conclave/enclave
看板の CLOSED を思い出せば、closure はもう半分わかっている。そこから -clude をたどれば、含む・除く・結論を出すまで、ひとつながりで見えてきます。

- 語源・中心:clos(claudere=閉じる)+ure =「閉じること」
- 覚え方のヒント:店先の看板 CLOSED がそのまま入っている
- -clude 一族:include/exclude/conclude/preclude/seclude/exclusive
- clos・claus 一族:close/closet/disclosure/enclosure/clause/claustrophobia
- clav(鍵)一族:clef/clavicle/conclave/enclave/autoclave
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- conclude の語源 → (近日中に公開)
- disclosure(情報開示)の語源 → (近日中に公開)
翻訳練習の解答例
- 看板には「CLOSED」と出ているが、閉まっているのは今日だけだ。
- その道路の通行止めは、明日の朝に解除される。
- うちの会社は、古い支店を閉鎖すると発表した。
- 最後の手紙を書き終えて、彼女はようやく気持ちの区切りをつけた。
- あなたには区切りをつける資格がある。急がなくていい。
- ひとつの扉が閉じると、別の扉が開くことも多い。
- 訪れる前に、閉館時間を確認しておいてください。
- 最後に「ありがとう」と言えたとき、彼はやっと本当に区切りがついた気がした。
- 区切りをつけることは、忘れることではない。前に進むということだ。
- どの終わりも、静かな始まりでもある。
集録語彙リスト
この単語は NAWL(学術)・TSL(TOEIC)・BSL(ビジネス)のすべて に集録されています。学術・試験・実務のどの場面でも使われる、最優先で覚えたい一語です。
NAWL(New Academic Word List)集録語
この単語は New Academic Word List(NAWL) に集録されています。NAWLは大規模な学術コーパスから抽出された960語のリストで、これらを覚えるだけで学術英語の約92%をカバーできます。論文や英字ニュースを読むとき、必ず出会う一語です。出典:New General Service List Project
TSL(TOEIC Service List)集録語
この単語は TOEIC Service List(TSL) に収録されています。TSLはTOEICの出題語彙を分析して作られた1,200語のリストで、これらを押さえればテストに出る語彙の約99%をカバーできます。スコアアップに直結する一語です。
出典:New General Service List Project
BSL(Business Service List)集録語
この単語は Business Service List(BSL) に集録されています。BSLはビジネス英語のコーパスから抽出された1,700語のリストで、これらを覚えればビジネス文書・会議・メールで使われる語彙の約97%をカバーできます。仕事で英語を使う場面で効いてくる一語です。
出典:New General Service List Project

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