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【語源で覚える】commentary|ment=考える、だから解説も実況も注釈も

著者情報
【著者:鈴木一世(イッセー)】

現役大学教員・カウンセラー。
  専門の「第二言語習得理論」と「心理学」に基づき、氷河期世代・非正規雇用・転職に関わるリスキリング戦略をデータで解説。挫折しそうな人のための、脳と心の攻略ガイド。  

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スポーツ中継の「実況」も、本の「注釈」も、ニュースの「解説」も、英語ではぜんぶ commentary です。ジャンルがバラバラなのに、なぜ一つの単語でまとまるのか・・・その答えは語源にあります。

入り口は、みんな知っているカタカナ語「コメント(comment)」。SNSでおなじみのあの comment と、commentary は同じ家族です。だから comment を手がかりにすると、commentary のちょっと難しい意味まで、丸暗記に頼らずすっと入ってきます。

この記事の主役は、真ん中にいる ment(考える・心)。ここを押さえると、実況も注釈も解説も「よく考えて語ったもの」という一枚の絵にまとまります。

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commentary を分解してイメージで覚える|意味の中心は “ment”

commentary をパーツで見ると、こうなります。

com(すっかり)+ ment(考える・心)+ ary(〜に関するもの)

覚え方の入り口は、身近な「コメント」。comment = com + ment と重ねてみてください。そのうしろに ary(〜に関するもの)が付いて、「考えて語ったことをまとめたもの」= commentary になります。

意味を運んでいるのは、真ん中の ment。これはラテン語 mens/mentis(心)につながる部品で、

mental(精神の)・mention(言及する)・mind(心)

と同じ根っこです。「頭でよく考えたもの」・・・それを書き留めたり語ったりしたのが commentary。だから、実況も注釈も解説も、根っこは全部「よく考えて語る」で一本につながります。

※ 正確には、この com- は communication の「一緒に」ではなく、意味を強める働き(強意)で「すっかり・しっかり」のニュアンスです。綴りは同じでも役割が違う・・・ここだけ整理しておくと、鋭い人に聞かれても迷いません。「一緒に(com)」は、あくまで comment を思い出すための身近な手がかりとして使っています。

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commentary の基本の意味と使い方

commentary は「解説」「注釈」「実況」を表す名詞です。共通するのは、事実をただ並べるのではなく、よく考えて語りを重ねているという点。

  • live commentary(実況中継)
  • political commentary(時事解説)
  • a commentary on the text(その文章についての注釈)

comment が「ひと言の感想」なら、commentary は「まとまった語り・分析」。ment(考える)の語源を知ると、この「じっくり語る」感覚が腑に落ちます。

comment と commentary の違い

語源は同じでも、現代英語では役割がはっきり分かれます。

単語意味の中心使い方のイメージ
commentひと言添える、短い意見SNSのコメント、記事末の感想、ちょっと触れる
commentary系統立った解説・批評・実況本の注釈、スポーツ実況、ニュース解説
  • comment:Your comment on my post really cheered me up.(あなたのコメントに、すごく元気をもらった)
  • commentary:The book has a helpful commentary on each chapter.(その本は、章ごとに親切な注釈がついている)

ざっくり言えば、comment は「点」、commentary は「線」。ひと言か、まとまった語りか・・・この距離感を押さえておくと、読解で迷いません。

場面で顔が変わる commentary

commentary は使われる場面で顔を変えます。代表的な3つを押さえましょう。

1. live commentary(実況中継)

スポーツ中継のアナウンサーの実況が live commentary。試合の進行を、その場で言葉にして追いかけていく語りです。

2. news commentary(ニュース解説)

ニュースの背景や意味を掘り下げる解説。ただの事実報道(news)ではなく、「なぜそうなったのか」を考えて論じる部分を指します。

3. commentary on 〜(注釈・解説書)

学術の世界では「〜についての注釈書・解説書」。commentary on the text で「その文章についての解説」。論文や専門書でよく出会う用法です。

実況・解説・注釈と幅がありますが、根っこはすべて「よく考えて語る(ment)」。ここが語源で覚える強みです。

“ment(考える・心)” でつながる単語ネットワーク

commentary の意味の中心 ment(ラテン語 mens/mentis=心/印欧祖語 *men-=考える)を知っておくと、まったく別ジャンルに見える単語が一気につながります。

単語意味イメージ
mental精神の、心のment(心)=心に関する
mention言及する、触れる心にあることを口に出す
mentor指導者、助言者考えを授けてくれる人
mind心、思うment と同じ根っこの「心」
monument記念碑monere(心に刻ませる・思い出させる)から

「ment が入っていたら、たぶん”心・考える”の話」・・・そう見えるようになると、初見の単語でも意味が推測できます。

“com(一緒に)” は身近な手がかりに

一方で、頭の com は、comment を思い出すための身近な入り口として便利です。「一緒に」の com でおなじみの単語をたどると、こんな家族が見えてきます。

単語意味イメージ
communication意思疎通com(一緒に)=通じ合う
common共通の一緒に持っている
company仲間、会社一緒にいる人たち
combine組み合わせる一緒にする

※ ただし前述のとおり、comment/commentary の com- は「一緒に」ではなく強意です。ここは「思い出すための手がかり」と割り切って、意味の中心はあくまで ment(考える)に置いてください。

派生語|commentary の家族

単語品詞意味発音
commentary名詞解説、注釈、実況コメンタリー /ˈkɑːmənteri/
comment名詞・動詞コメント、短い意見/論評するコメント /ˈkɑːment/
commentator名詞解説者、実況者、コメンテーターコメンテイター /ˈkɑːmənteɪtər/
commentate動詞解説する、実況する
commentarial形容詞解説の、注釈の
commentaryの語源とパーツ分解(com+ment+ary)とcomment・review・criticism・annotationとの違いを示した図解

TOEIC・英検での出題傾向

comment は日常でもビジネスでも超頻出で、TOEIC では会議・メール・レビューの文脈で頻繁に登場します。commentary はそれよりやや硬めで、ニュース・スポーツ・書評の読解やリスニングで出会う語です。

英検なら comment は準2級から、commentary は2級〜準1級あたりで見かける、押さえておきたい一語です。丸暗記より、comment を軸に家族ごとつかむのが近道です。

英文で確認|翻訳練習10問

英文を見たら一度止めて、和訳を書いてみてください。答え合わせは記事の最後にまとめてあります。

  1. The live commentary helped me follow the game.
  2. Her commentary on the news was calm and clear.
  3. Your commentary made the story easier to understand.
  4. A good commentary walks beside the reader.
  5. This book has a helpful commentary on each poem.
  6. You can learn a lot from thoughtful commentary.
  7. The sports commentary kept us excited to the end.
  8. Every commentary adds a little more understanding.
  9. Sometimes your quiet commentary means the most.
  10. Good commentary doesn’t judge; it helps you see for yourself.

語源メモ|「よく考えて語ったもの」

commentary は、中世ラテン語 commentarius(覚え書き・注釈・日記)に由来します。そのもとは後期ラテン語 commentum(解釈・注釈)。

さらにさかのぼると、古典ラテン語では「考え出したもの・作り事」という意味で、動詞 comminisci(考え出す・工夫する)の過去分詞でした。

この語の意味を運んでいるのが ment。ラテン語 mens/mentis(心)につながり、印欧祖語 *men-(考える)にたどりつきます。mental・mention・mentor・mind と同じ根っこです。「頭の中で考え出したもの」→「解釈・注釈」→「解説」と意味が育っていきました。

一つ正確に断っておくと、頭の com- は「一緒に」ではなく強意(すっかり・しっかり)です。completeのcom-がこれにあたります。

まとめ

commentary は、com(すっかり)+ ment(考える・心)+ ary で「よく考えて語ったもの」=解説・注釈・実況。

  • ment(mens/mentis)・・・心・考える。mental/mention/mentor/mind などの一族へ
  • com(手がかり)・・・身近な comment(コメント)から入る入り口。※この語では強意
  • 実況も注釈も解説も、根っこは全部「よく考えて語る」で一本

事実をただ並べるのではなく、考えを重ねて語る。commentary は、その”語り”を指す言葉です。

commentary の語源ワードマップ。中心は commentary(=よく考えて語ったもの)で、com(すっかり)+ment(考える・心)+ary に分解。ment(考える)一族(mental / mention / mentor / mind / monument)、com(一緒に)一族(communication / common / company / combine)、覚え方のヒント(身近な comment から入る)の4クラスタに整理した図。
  • 語源・中心:com(すっかり)+ ment(考える)+ ary =「よく考えて語ったもの」
  • 覚え方のヒント:身近な comment(コメント)から入る
  • ment(考える)一族:mental/mention/mentor/mind/monument
  • com(一緒に)一族:communication/common/company/combine

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翻訳練習の解答例

  1. 実況のおかげで、試合の流れがよく分かった。
  2. 彼女のニュース解説は、落ち着いていて分かりやすかった。
  3. あなたの解説のおかげで、話がずっと分かりやすくなった。
  4. よい解説は、読み手のそばに寄り添って歩いてくれる。
  5. この本には、詩の一つひとつに親切な注釈がついている。
  6. じっくり練られた解説からは、多くのことを学べる。
  7. スポーツ実況のおかげで、最後までわくわくが続いた。
  8. どんな解説も、理解を少しずつ深めてくれる。
  9. あなたの静かなひと言の解説が、いちばん心に響くこともある。
  10. よい解説は、良し悪しを裁いたりしない。あなたが自分で気づく手伝いをしてくれる。