英語を学び始める時、まずアルファベットを覚え、その次くらいに数字を覚えると思います。数字もone, two, threeと覚えるだけではもったいないです。なぜなら、one, two, threeには結構派生語があるからです。
oneは、「1つの」をあらわすa, anという不定冠詞があります。これはフランス語の「1つの」をあらわす不定定冠詞である、un, uneと同じです(unは男性名詞に、uneは女性名詞の前に付きます。フランス語ではすべての名詞が男性か女性に分類されています)。
un, uneがつづりの一部にある単語は別にご紹介していますが、最後に覚えにくいこの単語を覚えてみて下さい。
unanimousをパーツに分けると、un+animous。un-はoneと同じ「1」という意味です。animousはanimalに似ていますね。動物はあちこち動き回りますから、animalと同じ語源の単語である、animousは「もっとも元気のある」という意味です。
あれこれと、活発に議論を重ねて、その結果が「1つ(un)」になるということで、unanimousは「全会一致の」という意味になります。
英単語のパーツとネットワーク
oneで学ぶ英単語1 lonely
oneで学ぶ英単語2 annual
oneで学ぶ英単語3 unite
oneで学ぶ英単語4 unanimous
unanimousの語源的意味
「unanimous(ユナニマス)」という単語の意味を、語源的な知見をふまえてわかりやすく解説します。
「unanimous」の基本的な意味
「unanimous(ユナニマス)」は、日本語で「全員一致の」や「満場一致の」という意味です。つまり、ある決定や意見が、参加している全員によって同意された状態を指します。たとえば、ある会議で全員が同じ意見に賛成した場合、その意見は「unanimous」と言います。また、選挙や投票で、全員が同じ候補者に投票したときも「unanimous decision(全員一致の決定)」と言います。
語源をたどる
「unanimous」という単語は、ラテン語に由来しています。この単語は、ラテン語の「unanimus(ウナニムス)」から来ており、「心が一つになった」という意味を持っています。このラテン語の単語をさらに分解してみると、以下の二つの部分から成り立っています。
- 「uni-」
「uni-」はラテン語の「unus(ウヌス)」に由来し、「一つの」という意味を持つ接頭辞です。この「uni-」は、英語でも「一つ」を意味する単語の中でよく使われています。たとえば、「universe(宇宙)」は「一つの全体」や「一つにまとまったもの」を意味しますし、「unify(統一する)」も「一つにする」という意味です。 - 「animus」
「animus」はラテン語で「心」や「精神」を意味します。英語の「animal(動物)」や「animate(生命を与える、生き生きさせる)」にもこの語根が使われており、これらの単語では「生命力」や「心の動き」を表しています。
これらを組み合わせると、「unanimous」は「心が一つになった」という意味になります。つまり、全員が同じ考えや意見を持ち、誰も反対していない状態を表しているのです。
現代英語での使い方
「unanimous」は、会議や投票、選挙など、複数の人が集まって意見を出し合う場面でよく使われます。特に、全員が同意した場合や反対者が一人もいない状況を表すときに使われます。
例文:
- The committee made a unanimous decision to approve the proposal.
(委員会は全員一致でその提案を承認した。) - The vote was unanimous, with everyone supporting the new policy.
(投票は全員一致で、全員が新しい方針を支持した。) - The team was unanimous in choosing the captain.
(チームはキャプテンを選ぶ際に全員一致だった。)
このように、「unanimous」は、全員が同じ意見を持っていることを強調するために使われます。
「unanimous」と関連する単語
「unanimous」に関連する単語をいくつか見てみましょう。これらの単語も「心」や「一つ」という概念に関連しています。
- unanimity(ユナニミティ)
これは「全員一致」という意味の名詞です。「unanimous」という形容詞の名詞形で、ある決定や意見に全員が同意している状態を指します。 例文: - The board reached unanimity on the new budget plan.
(取締役会は新しい予算案について全員一致に達した。) - animus(アニムス)
「animus」は「敵意」や「反感」という意味の名詞で、ラテン語の「心」「精神」という意味が発展した形です。この言葉は、特に誰かに対して敵意を持つ心の状態を表します。 例文: - His animus towards the new manager was obvious.
(彼の新しいマネージャーに対する敵意は明らかだった。) - animate(アニメイト)
「animate」は「生命を与える」「活気づける」という意味の動詞です。何かを生き生きとさせることや、活力を与えることを指します。 例文: - The lively music animated the crowd.
(活気ある音楽が群衆を活気づけた。)
語源を知るメリット
「unanimous」の語源を理解することで、単語の本質的な意味をより深く知ることができます。特に「uni-(一つの)」と「animus(心)」が組み合わさっていることを知ると、「心が一つになる」というイメージが鮮明になります。このように、語源を知ると、単語が持つニュアンスをより理解しやすくなります。また、同じ語源を持つ他の単語も自然と覚えやすくなります。
たとえば、「uni-」という接頭辞を持つ単語には「universe(宇宙)」「uniform(制服、一様な)」などがあります。これらの単語にも「一つにまとまっている」という共通の意味があります。「animus」という部分も、感情や生命力に関する単語に多く使われているので、これを知っていると「animate」や「animal」などの単語も覚えやすくなります。
結論
「unanimous」は、ラテン語の「uni-(一つの)」と「animus(心)」が組み合わさってできた単語で、「全員が同じ意見を持っている」「満場一致の」という意味を持ちます。会議や投票で全員が同意する場合や、全体が一つの考えにまとまっている状態を表すときに使われます。語源を知ることで、単語の意味をより深く理解でき、関連する単語も自然に覚えやすくなるでしょう。