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【語源で覚える】sharply|シャープとシャツとスカートは、同じ「切る」から生まれた

著者情報
【著者:鈴木一世(イッセー)】

現役大学教員・カウンセラー。
  専門の「第二言語習得理論」と「心理学」に基づき、氷河期世代・非正規雇用・転職に関わるリスキリング戦略をデータで解説。挫折しそうな人のための、脳と心の攻略ガイド。  

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「シャープ」という言葉、日本語にすっかりなじんでいますよね。シャーペン、画質がシャープ、楽譜の ♯(シャープ)。どれも「とがっている」「くっきりしている」という感じがします。

その感覚は、まさに正解です。sharp のもとの意味は「切る」。刃物のように、スッと切れる鋭さが出発点です。

でも、この記事で伝えたいのはその先です。じつは shirt(シャツ)、skirt(スカート)、short(ショート)、share(シェア)、score(スコア) も、同じ「切る」から生まれた家族なんです。服とサッカーの点数と鉛筆が、一本の線でつながる・・・知っているカタカナ語が、急に親戚に見えてきます。

そして今回の主役は、sharp に -ly がついた sharply(急激に・鋭く)。TOEIC のグラフ問題でよく見かける、実用度の高い一語です。

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sharply を分解してイメージで覚える|「切り込むように」

sharply をパーツで見ると、こうなります。

sharp(切れる・鋭い)+ ly(〜のように)

つまり sharply は「刃物で切り込むように」。ここから意味が3方向に広がります。

  • 動き・変化が切り込むように → 急激に(売上が急に伸びる、道が急カーブする)
  • 言葉が切り込むように → 鋭く・きつく(きつい口調で言う)
  • 輪郭が切り取ったように → くっきりと(はっきり違う、くっきり映える)

覚え方のコツは、グラフを思い浮かべること。なだらかな坂ではなく、刃先のようにカクッと折れ曲がって上がる線。それが sharply です。

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sharp・sharply の基本の意味と使い方

まず、もとの sharp から。形容詞としての主な意味はこのあたりです。

  • a sharp knife(よく切れるナイフ)
  • a sharp turn(急なカーブ)
  • a sharp image(くっきりした画像)
  • a sharp mind(切れる頭脳)
  • at 3 o’clock sharp(3時ちょうどに)

最後の「〜時ちょうど」は意外かもしれませんが、時間をスパッと切り取るイメージで覚えると納得できます。

そして sharply。副詞として、こんなふうに使います。

  • Sales rose sharply.(売上が急増した)
  • The road turns sharply to the right.(道が右に急カーブしている)
  • She spoke sharply to him.(彼女は彼にきつい口調で言った)
  • The two views differ sharply.(2つの意見ははっきり異なる)

ちなみに、日本語の「シャーペン(シャープペンシル)」は英語では mechanical pencil と言います。sharp pencil と言うと「とがった鉛筆」になるので、ここだけ気をつけておくと安心です。

sharply・rapidly・steeply の使い分け

「急に増えた」を表す副詞はいくつかあります。ざっくり分けると、こんな違いです。

単語意味イメージ
sharply急激に変化の「角度」が鋭い。カクッと折れる
rapidly急速に変化の「スピード」が速い
steeply急勾配で坂が「けわしい」。値段の上昇などに
gradually徐々になだらか。sharply の反対側

グラフ問題では、sharply(急増・急減)と gradually(徐々に)の対比がよく出ます。sharply は「切り込む角度」、rapidly は「速さ」と覚えておくと、迷いにくくなります。

“sker(切る)” でつながる単語ネットワーク

ここからが、この記事のいちばんの楽しみどころです。sharp のさらに奥には、印欧祖語(英語のずっと昔のご先祖にあたる言語)の sker(切る) があると考えられています。そこから生まれた家族を並べてみます。

単語意味イメージ
sharp鋭い切れる刃をもつ
shirtシャツ切った布切れ(有力な説)
skirtスカートshirt と同じ語の北欧版
short短い切って短くした
share分け前、シェア切り分けた分
score得点、スコアもとは「刻み目」。数を刻んで数えた
shear(毛を)刈るハサミで切る
shard破片割れて切れた欠片

shirt と skirt は、もとは同じ一つの言葉です。英語に入ったルートが違うだけで、片方は上半身の服、もう片方は下半身の服になりました。服を「切った布」と見ると、シャツもスカートもショートも、ぐっと近く感じられます。

そして share。「シェアする」は今や日本語ですが、その根っこは「切り分ける」。ピザを切って分けるところを想像すると、そのまま意味になります。

score は、昔、棒や板に刻み目を入れて数を数えていたところから来ています。サッカーのスコアも、もとをたどれば「切り込みの数」です。

「sh や sk で始まって、なんとなく”切る”感じがする」・・・そう見えてくると、初めて見る単語にも手がかりが生まれます。

派生語 Word Family|sharp まわり

単語品詞意味発音
sharp形容詞・副詞鋭い、急な、くっきりした/ちょうどシャープ /ʃɑːrp/
sharply副詞急激に、鋭く、くっきりとシャープリー /ˈʃɑːrpli/
sharpen動詞研ぐ、鋭くする、磨くシャープン /ˈʃɑːrpən/
sharpener名詞研ぐ道具、鉛筆削りシャープナー /ˈʃɑːrpənər/
sharpness名詞鋭さ、鮮明さシャープネス /ˈʃɑːrpnəs/

sharpen は、ナイフを研ぐだけでなく sharpen your skills(スキルを磨く)のように、自分を鍛える場面でもよく使います。

TOEIC・英検での傾向

TOEIC では、売上・株価・利用者数などの変化を説明する文で sharply がよく登場します。rise sharply/fall sharply/increase sharply は、グラフや報告書の読み取りで押さえておきたい組み合わせです。語彙問題で rapidly・gradually と並べて選ばせる形もあります。

英検では2級〜準1級あたりの長文で見かけます。単語そのものは難しくないぶん、「急激に」という意味をすぐ思い出せるかどうかが勝負です。

英文で確認|翻訳練習10問

英文を見たら一度止めて、和訳を書いてみてください。答え合わせは記事の最後にまとめてあります。

  1. Sales rose sharply last month.
  2. The road turns sharply to the left.
  3. Her photos stand out sharply against the white wall.
  4. Your English has improved sharply this year.
  5. He spoke sharply, but his words came from kindness.
  6. Prices dropped sharply after the holidays.
  7. Focus sharply on one thing, and you will see results.
  8. The two plans differ sharply.
  9. When you are tired, your patience can drop sharply.
  10. Even if things change sharply, you can cut a new path.

語源メモ|sharp は「切る」の一族

sharp は古英語 scearp(切れる刃をもつ、とがった、頭が鋭い)から来ています。さらにさかのぼると、ゲルマン祖語の *skarpaz(切る)、そして印欧祖語の *sker-(切る)にたどり着くとされています。印欧祖語は文字の記録がない時代の言葉で、学者が比較から再建した形です。

shirt は古英語 scyrte、skirt は古ノルド語 skyrta から入った語で、どちらもゲルマン祖語の「短い衣服」にあたる語にさかのぼります。「切った布」という発想で short・sharp と同じ *sker- につながる、というのが有力な説です。ヴァイキングの時代に北欧の言葉が英語に流れ込み、同じ語が二つの形で残ったと考えられています。

sharply は sharp に -ly がついた副詞で、古英語の時代から「鋭く・厳しく」の意味で使われていました。

なお、よく似た scar(傷跡)は別の語源です。こちらはギリシャ語 eskhara(やけどの後のかさぶた)にさかのぼる言葉で、「切る」の家族とは別ルートです。見た目が似ていても、ここだけは混ぜないようにしておくと安心です。

まとめ

sharply は、sharp(切れる・鋭い)+ ly で「切り込むように」。そこから「急激に」「鋭く」「くっきりと」の3つの意味に広がります。

  • sharp・・・もとは「切る」。鋭い・急な・くっきり・〜時ちょうど
  • sharply・・・グラフがカクッと折れる「急激に」。rapidly(速さ)とは角度で区別
  • 「切る」の家族・・・shirt/skirt/short/share/score/shear/shard

いつも着ているシャツも、毎日使うシェアという言葉も、「切る」から生まれた仲間です。身近な一語から、英語の古い家系図が見えてきます。

sharply の語源ワードマップ。中心は sharply(=切り込むように、急激に・鋭く・くっきりと)で、sharp(切る・鋭い)+ly に分解。sker(切る)系(shirt / skirt / short / share / score)、使い分け(sharply / rapidly / steeply / gradually)、覚え方のヒント(グラフが刃先のようにカクッと折れる線)の4クラスタに整理した図。
  • 語源・中心:sharp(切る)+ ly =「切り込むように」→ 急激に・鋭く・くっきりと
  • 使い分け:sharply(角度)/rapidly(速さ)/gradually(なだらか)
  • 「切る」の家族:shirt/skirt/short/share/score/shear/shard
  • 覚え方のヒント:グラフが刃先のようにカクッと折れる線

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  • 【タイパ最強】英単語の語源・パーツ分解全リスト|語源×記憶術で芋づる式に覚える → https://isseisuzuki.org/etymology-parts-list/
  • short の語源 → (近日中に公開)
  • share の語源 → (近日中に公開)

翻訳練習の解答

  1. 先月、売上が急に伸びた。
  2. その道は、左に急カーブしている。
  3. 白い壁に、彼女の写真がくっきりと映えている。
  4. 今年、あなたの英語はぐんと伸びた。
  5. 彼の言い方はきつかったが、その言葉は優しさから出たものだった。
  6. 休暇明けに、物価ががくんと下がった。
  7. 一つのことにぐっと集中すれば、結果が見えてくる。
  8. その2つの案は、はっきりと違う。
  9. 疲れていると、我慢の力ががくんと落ちることがある。
  10. 状況が急に変わっても、あなたは新しい道を切り開ける。

集録語彙リスト

この単語は TSL(TOEIC) と BSL(ビジネス) の両方に集録されています。ビジネスでもTOEICでも頻出する、汎用性の高い一語です。 

TSL(TOEIC Service List)集録語

この単語は TOEIC Service List(TSL) に収録されています。TSLはTOEICの出題語彙を分析して作られた1,200語のリストで、これらを押さえればテストに出る語彙の約99%をカバーできます。スコアアップに直結する一語です。
出典:New General Service List Project

BSL(Business Service List)集録語

この単語は Business Service List(BSL) に集録されています。BSLはビジネス英語のコーパスから抽出された1,700語のリストで、これらを覚えればビジネス文書・会議・メールで使われる語彙の約97%をカバーできます。仕事で英語を使う場面で効いてくる一語です。
出典:New General Service List Project