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「わかる英単語」と「使える英単語」

 英語を使う人は、点数が伸びるのも早いというお話を、この記事の前にお話ししました。その理由の1つが、「わかる英単語(receptive words)」と「使える英単語(productive words)」の違いです。

 皆さんが、テストの点数を上げるためにしている勉強では、「わかる英単語」は増えます。しかし、アウトプットを日常的にしていないと「使える英単語」はなかなか増えません。圧倒的に「わかる英単語」>「使える英単語」であることは、直感的にわかっていただけると思います。

 たとえば・・・次の英文を読んで、内容を頭に入れて下さい。

例文   In order to be happy, you should live a peaceful life with a few valuable friends.

 では、今の英文を見ないで、同じ内容の英文を書いてみて下さい。オリジナルの英文と同じでなくても、同じ内容であれば結構です・・・と言われても、なかなか書けないと思います。内容は理解していても、実際英文を書いて下さいと言われると、基本的な英文でも書けないことが多いのです。

 「時間をかけて暗記すれば、書けます」とおっしゃるかもしれません。実際暗記して書けたとします。しかし、翌日同じ内容の英文を書いて下さいと言われても、書けないのではないでしょうか。それは、「わかる」ことと「使える」ことは、違うからなのです。

 英文ではなく、英単語のレベルでも、同様のことが言えます。つまり、「わかる英単語」が必ずしも「使える英単語」になっていないということです。

 たくさん英文を暗唱・暗記しても、英語を話したり書いたりすることができるようにならない。それは、「わかる英単語」を使っていないからなのです。

 ちなみに、暗記や暗唱で「使える単語」を増やすこともできましょう。ただ、この方法は非常に非効率的だと、個人的に考えています。覚えてもしばらくすると完全に忘れる、という経験はどなたもお持ちなのではないでしょうか。

 繰り返しになりますが、内容は理解したのに、同じ内容の英文が書けない。これは、「わかる英単語」はあるけれど、「使える英単語」になっていないということなのです。先ほどの英文にある英単語のほとんどが「使える英単語」になっていれば、おおまかな内容は書けるはずです。が、実際にやっていただくとなると、かなり難しい取り組みであることが分かっていただけると思います。

 次の図を見て下さい。

図1 現在の状況
使える英単語」が、「わかる英単語」より圧倒的に少ない(英語を使うのに辞書がないと伝えたいことが英語で表現できない)

「使える英単語」が、「わかる英単語」より圧倒的に少ない(英語を使うのに辞書がないと伝えたいことが英語で表現できない)状態

図2 問題集やテスト、英語の本の読書で得られる力
 勉強するほど「わかる英単語」が増えるが、「使える英単語」はなかなか増えない。

図2 問題集やテスト、英語の本の読書で得られる力
 勉強するほど「わかる英単語」が増えるが、「使える英単語」はなかなか増えない状態。

図3 アウトプットも取り入れた勉強で得られる力
 「使える英単語」の量が増え、「わかる英単語」の量との差が少なくなる。

図3 アウトプットも取り入れた勉強で得られる力
 「使える英単語」の量が増え、「わかる英単語」の量との差が少なくなる状態

 知っている英単語(わかる英単語)なのに、いざ英語を書いたり話したりする場面になると、すぐに出てこない。「わかる英単語」のレベルでは、まだ十分に定着していないというのはよくあることです。すぐに発音が出てこない、そうすると、ちょっと考えないと意味も頭に思い浮かばない、というように。

 しかし、「使える英単語」は、すぐ頭に思い浮かびます。そう考えると、使える英単語が多いほど、リーディングやリスニングも有利になると思いませんか?

 英語を使う練習をして、「使える英単語」を増やすことには、こうした大きなメリットがあるのです。

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