インスピレーション(inspiration)は、「思い付き」「ひらめき」という意味があります。パーツに分解してみると、in+spira+tion。in-は「中に」、-spira-はspirit(精神、魂)を意味します。精神や魂が活発になっている時こそ「ひらめき」が得られるということです。
また、魂が(体の)中にあるということは、生きているということです。生きていれば息をします。inspirationのパーツである、-spira-の語源は、息をする(breathe)でした。
これに関係した派生語としては次のようなものがあります。
expire
ex(外に)+spire(息)で、「息を吐く」という意味です。-spire-は魂ですから、魂が外に出る=「亡くなる」という意味にもなります。
conspire
conspireのcon-は、communicationのcom-と同じで「一緒に」という意味です。ですから、conspireは「一緒に息をする」→「息が合う」→「共謀する」となります。
perspire
息をはずませるほど動けば汗をかきます。「汗をかく」という意味です。
aspire
精神が高揚している時の状態で、「強く望む」「目指す」「心に大きな志を抱く」という意味です。
カタカナ語 インスピレーションの派生語
以下関連した派生語を整理しておきます。
inspiration | 思い付き ひらめき | in+spira+tion |
inspire | ひらめかせる 元気にする | in+spire |
inspirational | 感動を与える 心をゆさぶる | in+spira+tion+al |
inspired | ・・・に刺激を受けた | in+spir+ed |
spirit | 精神 魂 気力 生命力 | spi+rit |
spirited | 活発な 元気のある | spi+rit+ed |
spiritual | 精神的 霊的 | spi+rit+ual |
spirituous | アルコールを含む | spi+rit+uous |
spiritualist | 霊能力者 | spi+rit+ual+ist |
spiritualism | 観念論 心霊論 | spi+rit+ual+ism |
dispirit | やる気をなくさせる | di+spi+rit di-は「ディする」の意味で否定を意味する |
expire | 息をはく 亡くなる 終わる | ex+pire |
expiration | 息をはくこと 終了 期限切れ | ex+pire+tion |
expiry | 終了 期限切れ | ex+pire+y |
conspire | 共謀する | con+spire |
conspiration | 協力 | con+spire+tion |
conspirator | 共謀の協力者 | con+spi+rat+or |
conspiracy | 陰謀 共謀 | con+spi+racy |
perspire | 汗をかく | per+spi+re |
perspiration | 発汗 汗をかくこと | per+spi+re+tion |
aspire | 強く望む 目指す 心に大きな志を抱く | a+spire |
aspirate | 願望 強い望み | a+spire+te |
aspirant | 志望者 志願者 | a+spi+rant |
aspiration | 願望 志望 | a+spi+ra+tion |
aspirator | 吸引器 | a+spi+rate+or |
aspirational | 意欲的な 願望のある | a+spi+ra+tion+al |
esprit | エスプリ 精神(フランス語から) | e+spirt |
sprightly | 元気な 活発な | spri+ght+ly |
transpiration | 蒸発 | trans+spi+ra+tion |
respiration | 呼吸 | re+spi+ra+tion |
suspire | 息を吸ってはく ため息をつく | su+spire |
関連リンク:カタカナ語英単語
インスピレーションの語源的意味
「inspiration(インスピレーション)」という言葉は、「ひらめき」や「創造的なアイデアを得ること」を意味しますが、その語源をたどると、ラテン語の「inspirare(インスピラーレ)」に由来しています。この「inspirare」という言葉は、「息を吹き込む」「呼吸する」という意味を持っていました。
「inspirare」はさらに2つの部分に分けられます。「in-」は「中に」という意味を持ち、「spirare」は「息をする」「呼吸する」という意味です。したがって、「inspirare」は「何かを中に息を吹き込む」という意味になります。もともと、古代の人々は「神聖な力やエネルギーが人の中に吹き込まれることで、特別な考えやひらめきが生まれる」と信じていました。この考え方から、「inspiration」は「外からやってくるひらめき」や「何かに導かれて生まれるアイデア」を表すようになりました。
英語に取り入れられた「inspiration」は、まず「神や天使が人の心に息を吹き込むことで、特別な知恵や考えを与える」という宗教的な意味で使われていました。そこから、時代が進むにつれて「創造的なアイデア」や「何か新しいことを思いつく力」としての意味に広がっていきました。
たとえば、「I found inspiration in nature(私は自然からインスピレーションを得ました)」というと、自然の中にある美しさや出来事から新しいアイデアや考えが生まれたという意味になります。また、「artistic inspiration(芸術的なインスピレーション)」という言葉は、アーティストが何かを感じ取って、それを作品に表現する力を指します。
このように、「inspiration」という言葉には、「何かが心に吹き込まれて、新しいアイデアや考えが生まれる」という深い意味があります。語源を知ることで、インスピレーションが「ただのひらめき」ではなく、「何か外からやってくる力やエネルギーによって生まれるもの」であることが理解できます。
言葉の成り立ちを知ることで、「inspiration」という言葉の持つ本当の意味や背景がより深く理解できるでしょう。何かを学んだり創造したりする際に、このようなインスピレーションを受ける瞬間を大切にすると、より豊かなアイデアや考えが生まれるかもしれません。