symbol=sym(一緒に)+bol(ボール)となり、「一緒に投げる、飛ばす」がもともとの意味でした。sym-は「シンパシー(同情)」の「シン」で「一緒に同じ気持ち」になることから「一緒に」という意味になります。
オーケストラで使う、楽器のシンバルは、2枚「一緒」に合わせて音を出します。
シンボルの例としては、国旗があります。国旗はその国のことを旗で象徴し、シンボルとなっています。星条旗を見ればアメリカ合衆国を思い浮かべ、ユニオンジャックを見ればグレート・ブリテン(英国)を思い浮かべることになります。
シンボル(象徴)とは、何かを見た時、多くの人が一緒に(sym-)、同じものを思い浮かべる(思いをはせる=思いを飛ばす)と連想すればよいでしょう。
symbolの派生語には次のようなものがあります。
- symbol: 象徴 シンボル
- symbolic: 象徴的
- symbolize: 象徴する
- symbolization: 象徴化
下に挙げた例の中で、専門的なものが入っていますので、興味があれば意味を調べてみてくださる程度で結構です。
sym-(syn)には、他にもこれだけの派生語があります。別途記事にいたします。
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symbolの語源的意味
「symbol(シンボル)」という言葉は、「象徴」や「記号」を意味します。たとえば、ハートの形は「愛のシンボル」、十字架は「キリスト教のシンボル」というように、何かを表現したり、象徴したりするものを指します。この「symbol」という言葉の語源をたどると、古代ギリシャ語の「σύμβολον(sýmbolon:スュンボロン)」に行き着きます。
「σύμβολον(スュンボロン)」は、「一緒に」という意味の「σύν(syn:シン)」と、「投げる」「置く」という意味の「βάλλειν(ballein:バレイン)」という2つの言葉が組み合わさってできています。「σύν(syn)」は、「共に」や「一緒に」という意味を持ち、英語の「synchronize(同期する)」や「synthesis(合成)」といった単語にも使われています。一方、「βάλλειν(ballein)」は、「投げる」「置く」という意味で、ここから「ball(ボール)」という言葉も派生しています。
これらが組み合わさった「σύμβολον(sýmbolon)」は、もともと「一緒に投げられたもの」や「組み合わせられたもの」という意味を持っていました。古代ギリシャでは、ある物を2つに割り、それぞれの部分を持ち主が持ち合うことで、後で再び出会ったときに組み合わせて「これが本物だ」と確認するための「合言葉」や「証拠」として使われていたのです。このような背景から、「σύμβολον(sýmbolon)」は「何かを示すもの」や「象徴するもの」という意味に発展していきました。
その後、この言葉がラテン語の「symbolum(シンボルム)」を経て英語に取り入れられ、「symbol」という形になりました。現在では、「symbol」は何かを表す記号や形、イメージを意味します。
たとえば、「a dove as a symbol of peace(平和の象徴としてのハト)」というように、ハトが平和を表すシンボルであることを示す場合に使います。また、数学で使われる「+」や「-」といった記号も「symbols」と呼ばれます。これらの記号は、何かを表現するための簡単な形として使われています。
このように、「symbol」という言葉は、何かを簡単に示したり、表現したりするために使われるものです。語源を知ることで、「symbol」が単なる「記号」ではなく、「何かを共に表すもの」「ある意味や概念を一緒に伝えるもの」という深い意味を持っていることが理解できます。
言葉の成り立ちや背景を知ることで、「symbol」という言葉が持つ本来の意味をより深く理解することができるでしょう。