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【語源で覚える】conversion|コンバーターとコンバージョン、共通点は「向きを変える」

著者情報
【著者:鈴木一世(イッセー)】

現役大学教員・カウンセラー。
  専門の「第二言語習得理論」と「心理学」に基づき、氷河期世代・非正規雇用・転職に関わるリスキリング戦略をデータで解説。挫折しそうな人のための、脳と心の攻略ガイド。  

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「コンバーター」と聞くと、電源の変換アダプターや、動画ファイルの形式を変えるソフトを思い浮かべる人が多いと思います。一方で、ネット広告やマーケティングの世界では「コンバージョン(成約)」という言葉がよく飛び交っています。

片方は機械、片方はビジネス用語。まったく別ジャンルに見えますよね。

でも、この2つは同じ単語の家族です。どちらの中心にもあるのは、「向きを変える」というたった一つのイメージ。ここをつかむと、conversion の「変換」「転換」「換算」「改宗」「成約」という一見バラバラな訳語が、一本の線でつながります。

※ 動詞の convert(変える)については、姉妹編の記事(https://isseisuzuki.org/convert/)で扱っています。この記事は、名詞の conversion と、そこから広がる「向きが変わること」の話です。

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conversion を分解してイメージで覚える|con+vert で「向きをすっかり変える」

conversion をパーツで見ると、こうなります。

con(すっかり・完全に)+ vert(向きを変える・回す)+ sion(〜すること)

真ん中の vert が意味の中心です。ラテン語 vertere(向きを変える・回す)から来ていて、「くるっと向きが変わる」動きを表します。そこに con が「すっかり」と力を加えるので、conversion は「向きがすっかり変わること」。

このイメージで、さまざまな訳語を見直してみてください。

  • 円がドルに向きを変える → 換算・両替
  • ファイルの形式が向きを変える → 変換
  • 古い建物が別の用途へ向きを変える → 改装・転用
  • 信じるものの向きが変わる → 改宗・転向
  • ただ見ていた人が、買う人へと向きを変える → 成約(コンバージョン)

コンバーターは「向きを変える装置」、コンバージョンは「お客さんの向きが変わること」。同じ vert が、場面を変えて顔を出しているだけなんです。

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conversion の基本の意味と使い方

conversion は「変換」「転換」を表す名詞です。何かが別の形・状態・用途へ切り替わることを指します。よく使う形はこのあたりです。

  • currency conversion(通貨の換算・両替)
  • unit conversion(単位の換算)
  • the conversion of A into B(AからBへの転換・改装)
  • conversion rate(コンバージョン率、または換算レート)
  • conversion to 〜(〜への転向・改宗)

ポイントは、into や to と相性がいいこと。「何から何へ向きが変わったか」を一緒に言うことが多い単語です。

convert・conversion・converter の使い分け|conversation との違いも

同じ家族の中で、品詞ごとの役割を整理しておくと迷いません。

単語品詞意味イメージ
convert動詞変える、転換する向きをすっかり変える
conversion名詞変換、転換、換算向きが変わること・その結果
converter名詞変換器、コンバーター向きを変える装置・人
convertible形容詞・名詞変換できる/オープンカー屋根の向きを変えられる車

車の「コンバーチブル(オープンカー)」も、屋根をたたんで形を変えられるからこの名前。カタカナ語の中に、vert はあちこち隠れています。

もう一つ、つづりが似ていて混ざりやすいのが conversation(会話)。conversion と1文字違いですが、別の単語です。ただ、実はこちらも同じ vert/vers の一族。ラテン語で「人と共に身を行き来させる → 付き合う」という意味から「会話」になりました。向き合って言葉を行き来させる、と覚えると区別もしやすくなります。

“vert(向きを変える)” でつながる単語ネットワーク

conversion の中心 vert(vers)を知っておくと、見た目がまったく違う単語が一気につながります。

単語意味イメージ
convert変える、転換するcon(すっかり)+vert=向きをすっかり変える
reverse逆にする、逆のre(後ろへ)+vers=向きを後ろへ変える
divertそらす、気を紛らすdi(離れて)+vert=別の方向へ向ける
advertise宣伝するad(〜へ)+vert=人の注意をこちらへ向ける
invertひっくり返すin(内へ)+vert=向きを内側へ・逆さに
version版、バージョン向きを変えて作った別の形
universe宇宙uni(1つ)+vers=すべてが1つに回りまとまる
conversation会話con(共に)+vers=人と向き合い行き来する

特に advertise(宣伝する)は、マーケティングの世界で conversion と並んで使われる言葉。「注意をこちらに向けて(advertise)、行動の向きを変えてもらう(conversion)」・・・広告の流れそのものが、vert でできているとも言えます。

「vert/vers が入っていたら、たぶん”向きを変える・回る”話」。そう見えるようになると、初めて見る単語でも意味の見当がつきます。

派生語|conversion まわり

単語品詞意味発音
conversion名詞変換、転換、換算、改宗コンヴァージョン /kənˈvɜːrʒən/
convert動詞変える、転換するコンヴァート /kənˈvɜːrt/
convert名詞改宗者、転向者カンヴァート /ˈkɑːnvɜːrt/
converter名詞変換器コンヴァーター /kənˈvɜːrtər/
convertible形容詞・名詞変換できる/オープンカーコンヴァーティブル /kənˈvɜːrtəbl/

convert は、動詞と名詞でアクセントの位置が変わります(動詞は後ろ、名詞は前)。

TOEIC・英検での出題傾向

conversion は、ビジネスの場面で見かけやすい単語です。TOEIC では currency conversion(両替・換算)、the conversion of the office space(オフィスの改装)、conversion rate(成約率)といった形で、案内文やメール、レポートに登場します。英検では2級〜準1級あたりの長文で、「〜への転換」という意味で出てくることがあります。動詞の convert A into B(AをBに変える)とセットで押さえておくと安心です。

英文で確認|翻訳練習10問

英文を見たら一度止めて、和訳を書いてみてください。答え合わせは記事の最後にあります。

  1. The conversion from yen to dollars is easy online.
  2. Our website’s conversion rate went up this month.
  3. The conversion of the old school into a library took a year.
  4. She explained the unit conversion step by step.
  5. This converter handles the conversion of video files.
  6. His conversion to a morning routine surprised everyone.
  7. Sometimes a quiet conversion in your heart is all you need.
  8. You can begin the conversion of your dreams into real plans today.
  9. A setback can be the start of a conversion, not the end.
  10. Every conversion begins with one small turn.

語源メモ|ラテン語 convertere から

conversion は、ラテン語 conversio(回転・方向転換)に由来し、フランス語を経て14世紀ごろ英語に入りました。もとになった動詞は convertere(向きを変える・変える)で、com-(強調)+ vertere(向きを変える・回す)という組み立てです。

英語に入った当初、conversion はおもに「信仰の向きを変えること(改宗)」を指していました。そこから「形や状態を変えること」全般へと広がり、計算の「換算」、建物の「改装」、機械の「変換」と使われる場面が増えていきます。

マーケティングの「コンバージョン」は、この「〜を〜へ変える」という意味の延長です。見込み客をお客さんに”変える”、つまり訪問者が購入や問い合わせへと向きを変えること。新しい用法に見えて、実は昔からの意味の上にちゃんと乗っています。

なお、conversation(会話)は、ラテン語 conversari(人と共に過ごす・付き合う)から来た別の単語です。conversari は vertere から派生した動詞なので、根っこは同じ一族。ただし conversion と conversation は意味も成り立ちも別ルートで発展したので、混ぜずに覚えておきましょう。

まとめ

conversion は、con(すっかり)+ vert(向きを変える)+ sion で「向きがすっかり変わること」。

  • 変換・換算・改装・改宗・成約・・・どれも「何かが別の向きへ変わること」
  • コンバーターは向きを変える装置、コンバージョンはお客さんの向きが変わること
  • vert/vers は convert・reverse・divert・advertise・invert・version・universe へつながる入り口

いつもの道を少し曲がるだけで、見える景色は変わります。conversion は、その「小さく向きを変える力」を表す言葉です。

conversion の語源ワードマップ。中心は conversion(=向きがすっかり変わること)で、con(すっかり)+vert(向きを変える)+sion に分解。語源・中心、vert系(convert / reverse / divert / advertise / invert / version)、conversion の家族(convert / converter / convertible / conversation)、覚え方のヒント(コンバーター=向きを変える装置、コンバージョン=お客さんの向きが変わること)の4クラスタに整理した図。

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翻訳練習の解答

  1. 円からドルへの換算は、ネットで簡単にできる。
  2. 今月、うちのサイトのコンバージョン率が上がった。
  3. 古い学校を図書館に改装するのに、1年かかった。
  4. 彼女は単位の換算を、順を追って一つずつ説明した。
  5. このコンバーターは、動画ファイルの変換をしてくれる。
  6. 彼が朝型の生活に切り替えたことに、みんな驚いた。
  7. 心の中で静かに向きが変わる・・・それだけで十分なこともある。
  8. 夢を現実の計画に変えていくことは、今日から始められる。
  9. つまずきは終わりではなく、向きを変える始まりにもなる。
  10. どんな転換も、小さな一回の向き直りから始まる。

BSL(Business Service List)集録語

この単語は Business Service List(BSL) に集録されています。BSLはビジネス英語のコーパスから抽出された1,700語のリストで、これらを覚えればビジネス文書・会議・メールで使われる語彙の約97%をカバーできます。仕事で英語を使う場面で効いてくる一語です。
出典:New General Service List Project