「レシーブ」は、バレーボールでおなじみの言葉ですよね。相手のサーブを受ける、あの動作です。英語の receive(受け取る)がそのままカタカナになったもので、意味も素直につながります。
ここまでは、たぶん誰でも知っている話。この記事で見てほしいのは、その先です。
receive を re と ceive に割ってみると、真ん中に ceive という部品が残ります。そして、この ceive を持っている単語を並べると、こうなります。
- deceive(だます)
- conceive(思いつく・身ごもる)
- perceive(知覚する)
「受け取る」とはまるで関係なさそうな3語が、レシーブと同じ部品でできている・・・。この ceive の正体がわかると、4語が一度に手に入ります。
receive を分解してイメージで覚える|ceive は「取る」
receive をパーツで見ると、こうなります。
re(後ろへ・戻して)+ ceive(取る)
意味の中心は、真ん中の ceive(取る) です。これはラテン語 capere(取る・つかむ)が、フランス語を通って英語に入るときに変形した姿。日本語でいえば「取る」という動詞そのものが、部品になって単語の中に埋まっているイメージです。
そこに re(後ろへ・戻して)が付いて、「こちら側へ取り込む」「差し出されたものを自分の手元に収める」・・・つまり receive(受け取る)。
バレーのレシーブも、まさにこれです。飛んできたボールを、自分の側に取り込む。語源のイメージと、カタカナのイメージが、きれいに重なっています。
ここで大事なのは、ceive を「取る」として独立させて覚えること。そうすると、この後の3語が一気に読めるようになります。
receive の基本の意味と使い方
receive は「受け取る」「受ける」を表す動詞です。手紙やメール、贈り物、知らせ、信号など、相手から送られてきたものを自分の側に収める、という場面で使います。
- I received your email this morning.(今朝、あなたのメールを受け取りました)
- She received a prize for her work.(彼女は仕事で賞を受けた)
- We received a warm welcome.(私たちは温かく迎えられた)
受け身の形もよく使います。
- The message was received without any problem.(メッセージは問題なく受信された)
receive・get・accept の使い分け
日本語にすると全部「受け取る」になりがちな3語ですが、立ち位置が違います。
| 動詞 | ニュアンス | 例 |
|---|---|---|
| get | 広く「手に入る」。口語的で、入手の経緯を問わない | I got a letter.(手紙が来た) |
| receive | 相手から送られてきたものを受け取る。ややあらたまった響き | I received a letter.(手紙を受け取った) |
| accept | 受け取ったうえで「受け入れる」。意思が入る | I accepted the offer.(その申し出を受け入れた) |
違いがはっきり出るのが、この一文です。
You can receive a gift and still not accept it.
(贈り物を受け取ることはできても、受け入れるかどうかは別の話)
receive は手元に届いた段階、accept はそれを認めた段階・・・そう整理しておくと、ビジネス文書でも迷いません。
“ceive(取る)” でつながる単語ネットワーク
ここが、この記事の本題です。receive の真ん中にある ceive(取る)を知っておくと、見た目のまったく違う単語が一本の線でつながります。
| 単語 | 意味 | 分解とイメージ |
|---|---|---|
| receive | 受け取る | re(戻して)+ceive=こちらへ取り込む |
| deceive | だます | de(悪い方へ)+ceive=相手を悪い方へ取り込む |
| conceive | 思いつく、身ごもる | con(しっかり)+ceive=内に取り込んで抱える |
| perceive | 知覚する、気づく | per(すっかり)+ceive=すっかり取り込む=わかる |
deceive は「だます」。相手の心を悪い方向へ引き取る、というイメージです。
conceive は「思いつく」と「身ごもる」という、一見バラバラの2つの意味を持ちます。でも ceive で見ると同じこと・・・どちらも「内側に取り込んで、しっかり抱える」。アイデアを抱えれば「思いつく」、命を抱えれば「身ごもる」です。
perceive は「知覚する」。per(すっかり)+ceive(取る)で、情報をすっかり取り込む。取り込めたということは、わかったということ。だから「気づく・知覚する」になります。
名詞形まで広げると、さらに増えます。
| 動詞 | 名詞形 | 意味 |
|---|---|---|
| deceive | deception / deceit | 欺き、詐欺 |
| conceive | conception / concept | 概念、着想 |
| perceive | perception | 知覚、認識 |
concept(コンセプト)や perception(パーセプション)は、カタカナでも耳にする言葉ですよね。これも、もとをたどればレシーブと同じ部品でできています。
ceive と cept|同じ家族の、二つの顔
ここでもう一歩だけ。ceive 系の単語には、cept という別の綴りの兄弟がいます。
receive の名詞・形容詞まわりを見てください。
- receive → reception(受付、歓迎会)
- receive → receptive(受け入れる)
- receive → recipient(受取人)
動詞では ceive、名詞や形容詞では cept や cip に変わる・・・これは、同じラテン語 capere がフランス語経由で入ったか、ラテン語から直接入ったかの違いによるものです。入り口が違うだけで、中身は同じ「取る」。
cept 系をたどると、accept(受け入れる)・except(〜を除く)・concept(概念)・capture(捕える)・capable(能力がある)まで広がりますが、そちらは別記事にゆずります。この記事では、ceive=取るを一つ持ち帰ってもらえれば十分です。
身近なカタカナで確認|レシート・レセプション・トランシーバー
receive の家族は、カタカナ語としてもあちこちに顔を出しています。
レシート(receipt)・・・買い物でもらう、あの紙です。「受け取った証拠」だから receipt。綴りに p が入っているのに発音しない不思議な単語ですが、これには理由があります(語源メモで触れます)。
レセプション(reception)・・・ホテルの受付も、歓迎パーティーも reception。どちらも「受け入れる場所・受け入れる行為」です。
トランシーバー(transceiver)・・・これは少し変わり種で、transmitter(送信機)と receiver(受信機)をくっつけて作られた言葉です。1934年に機械そのものと一緒に生まれた、比較的新しい単語。後ろ半分に receive が隠れています。
レシーバー(receiver)・・・オーディオの受信機、電話の受話器、アメフトのレシーバー。どれも「受け取るもの・受け取る人」です。
派生語|receive まわり
| 単語 | 品詞 | 意味 | 発音 |
|---|---|---|---|
| receive | 動詞 | 受け取る、受信する | リシーヴ /rɪˈsiːv/ |
| receiver | 名詞 | 受信機、受話器、受取人 | リシーヴァー /rɪˈsiːvər/ |
| receipt | 名詞 | 領収書、レシート、受領 | リシート /rɪˈsiːt/(p は発音しない) |
| reception | 名詞 | 受付、歓迎会、受信状態 | リセプション /rɪˈsepʃən/ |
| receptionist | 名詞 | 受付係 | /rɪˈsepʃənɪst/ |
| recipient | 名詞 | 受取人、受賞者 | リシピエント /rɪˈsɪpiənt/ |
| receptive | 形容詞 | 受け入れる、素直な | /rɪˈseptɪv/ |
| receptor | 名詞 | 受容体(細胞の) | /rɪˈseptər/ |
| receptacle | 名詞 | 容器、入れ物 | /rɪˈseptəkl/ |
| receivable | 形容詞/名詞 | 受取可能な/売掛金 | /rɪˈsiːvəbl/ |
| transceiver | 名詞 | トランシーバー、送受信機 | /trænˈsiːvər/ |
receptor(受容体)は、理科や化粧品の広告で見かける言葉です。細胞の表面で物質を「受け取る」場所・・・と考えれば、receive とまっすぐつながります。
TOEIC・英検での出題傾向
receive は、TOEIC では頻出中の頻出です。注文確認・案内・通知といったビジネス文書の定型表現に、繰り返し登場します。
- We have received your order.(ご注文を承りました)
- You will receive a confirmation email shortly.(まもなく確認メールが届きます)
- Please keep your receipt.(レシートは保管してください)
Part 7 の読解では、recipient(受取人)や reception desk(受付)もあわせて押さえておくと読みやすくなります。英検では3級〜準2級で receive が、2級以上で receptive・recipient あたりが視野に入ってきます。
英文で確認|翻訳練習10問
英文を見たら一度止めて、和訳を書いてみてください。答え合わせは記事の最後にまとめてあります。
- I received a letter from an old friend.
- You will receive the results next week.
- She received the news with a quiet smile.
- We received a warm welcome at the door.
- Everyone deserves to receive kindness.
- He received the ball and passed it back.
- You receive more than you notice every day.
- The team received support from many people.
- I received your message, and it made my day.
- To receive well is also a kind of skill.
語源メモ|capere から ceive へ
receive は、古北フランス語 receivre を経て、ラテン語 recipere(取り戻す、受け入れる)に遡ります。分けると re-(後ろへ)+ -cipere(capere「取る」の結合形)。capere はさらに、印欧祖語の *kap-(つかむ)にたどり着きます。
ひとつ正直に書いておくと、ここでの re- の正確な意味については、語源辞典でも「はっきりしない」とされています。「取り戻す」の re なのか、別の働きなのか。なので、この記事では ceive(取る)の方を意味の中心として扱っています。
もう一つ、おもしろい話を。receipt の p は、なぜ書くのに読まないのか。
もともと英語に入ったときは receit という綴りでした。ところが1500年頃から、「ラテン語の recipere に似せよう」という動きが起こり、発音しない p が書き足されたのです。同じことが conceit(うぬぼれ)や deceit(欺き)にも試みられましたが、そちらでは定着せず、p が残ったのは receipt だけでした。
つまり receipt の読まない p は、ラテン語への敬意として置かれた目印のようなもの。debt(借金)や doubt(疑い)の読まない b も、同じ時代の同じ発想から生まれています。
まとめ
receive は、re(後ろへ・戻して)+ ceive(取る)で「受け取る」。
- ceive(取る)・・・意味の中心。ラテン語 capere の変形した姿
- ceive 一族・・・deceive(だます)/conceive(思いつく)/perceive(知覚する)
- cept・cip に姿を変えると・・・reception/receptive/recipient へ
- カタカナで会える家族・・・レシート/レセプション/レシーバー/トランシーバー
バレーのレシーブで知っている1語から、deceive も perceive も手に入る。ceive を「取る」と覚えておくだけで、初見の単語でも半分は読めるようになります。

- 語源・中心:re(後ろへ)+ ceive(取る)=「受け取る」
- 覚え方のヒント:レシーブ=ボールを自分の側に取り込む
- ceive(取る)一族:deceive/conceive/perceive/deception/conception/perception
- recept 一族:reception/receptive/receptor/receptacle/recipient/receipt
関連記事(内部リンク)
- recipe の語源(レシピ=「取れ!」) → https://isseisuzuki.org/recipe/
- reception の語源(受付・歓迎会) → https://isseisuzuki.org/reception/
- recipient の語源(受取人) → https://isseisuzuki.org/recipient/
- conceptual の語源(コンセプト・cept系) → https://isseisuzuki.org/conceptual/
- exceptional の語源(例外・ex系) → https://isseisuzuki.org/exceptional/
- 【ピラー】【タイパ最強】英単語の語源・パーツ分解全リスト|語源×記憶術で芋づる式に覚える → https://isseisuzuki.org/etymology-parts-list/

翻訳練習の解答
- 旧友から手紙を受け取った。
- 結果は来週あなたのもとに届きます。
- 彼女はその知らせを、静かな笑みで受けとめた。
- 玄関で、私たちは温かく迎えられた。
- やさしさを受け取る資格は、誰にでもある。
- 彼はボールを受けて、そのまま投げ返した。
- あなたは毎日、気づいている以上のものを受け取っている。
- そのチームは、多くの人から支えてもらった。
- あなたのメッセージが届いて、いい一日になりました。
- 上手に受け取ることも、ひとつの力だ。

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