先日学生から相談を受けました。他のパートは得点率が高いのに、なぜかPart2のスコアが伸び悩むというのです。
同じご経験お持ちの方いらっしゃいますか?
本来Part2は、Part1と同様「得点源」で、ここである程度のスコアを稼ぐことが得点力をアップする秘訣なのですが・・・。
本ブログでは、このような学生の相談に応じる形で記事を書いてみました。
この記事を読むとわかること
- TOEIC Part 2の得点率が低い原因と特徴
- 聞き取れない理由を具体的に分析
- スコアアップのための実践的な対策方法
- 推奨教材と学習ステップ
- Part 2が伸びると他のパートも伸びる理由

- はじめに|他のパートは高得点なのに、TOEIC Part 2だけなぜ取れない?
- TOEIC Part 2とは?形式と特徴を再確認
- 【原因①】質問文の種類に対応できていない
- 【原因②】冒頭2〜3語の聞き取りミス
- 【原因③】自然な応答パターンに慣れていない
- 【原因④】英語の音の変化(リエゾン)に耳が慣れていない
- 【対策①】質問パターンを分類・暗記する
- 【対策②】ディクテーションで「聞き漏れポイント」を分析
- 【対策③】シャドーイングで耳と口を同時に鍛える
- 【対策④】応答パターン集を音読・暗記する
- 【対策⑤】TOEIC Part 2に強くなるおすすめ教材
- 【+α】Part 2を制すれば、TOEIC全体のスコアが伸びる
- 【試験直前対策】TOEIC本番でPart 2の力を最大限発揮するために
- まとめ|TOEIC Part 2が苦手な人がやるべきこと
はじめに|他のパートは高得点なのに、TOEIC Part 2だけなぜ取れない?
TOEICのリスニングセクション(Part 1〜4)で、Part 2(応答問題)だけ正答率が伸びないという人は非常に多いです。
「写真描写(Part 1)や会話文(Part 3)は解けるのに、Part 2はなぜか苦手…」
このように感じている人は、音の問題だけでなく、認知処理やパターン理解の壁にぶつかっている可能性があります。
この記事では、Part 2が苦手になる理由を根本から分析し、スコアアップのための具体的なトレーニング法を丁寧に解説します。
TOEIC Part 2とは?形式と特徴を再確認
まずはPart 2の基本を押さえておきましょう。
- 出題数:25問(No.7~31)
- 形式:短い質問や発言に対し、3つの応答の中から最も自然な返答を選ぶ
- 選択肢は印刷されておらず、すべて音声のみで処理
つまり、瞬時の聞き取り・判断・応答パターンの理解がすべて求められます。
【原因①】質問文の種類に対応できていない
TOEIC Part 2の質問文には、以下のような多様なタイプがあります。
質問タイプ | 例文 | 適切な応答例 |
---|---|---|
疑問詞疑問文 | Who sent the document? | Mr. Tanaka did. |
Yes / No質問 | Did you get the email? | Yes, I got it this morning. |
平叙文 | I heard the meeting was canceled. | Really? I didn’t know that. |
提案・依頼 | Would you mind helping me? | Not at all. / Sure. |
この分類を意識せずに聞いていると、反射的に選べず不正解を引きやすくなります。
【原因②】冒頭2〜3語の聞き取りミス
Part 2では、質問の冒頭でほとんどの意味が決まるため、最初の数語を聞き逃すと対応不能になります。
たとえば:
- “Where did she go?” → 最初の “Where” を聞き逃すと方向性がわからない
- “When is the meeting?” → “When” を聞き逃すと時間か場所か混乱する
特に「Who」「When」「What」など疑問詞の音を正確に聞き分ける訓練が重要です。
【原因③】自然な応答パターンに慣れていない
TOEIC Part 2は、文法的に正しい答えよりも、実際の英会話で自然に返す表現が正解となります。
例えば:
Q: Do you need any help?
A: I’m good, thanks. ✅(自然)
A: I do not need help. ❌(不自然)
学校英語では学ばない表現が出てくるため、口語の応答パターンを暗記しておくことが高得点へのカギになります。
【原因④】英語の音の変化(リエゾン)に耳が慣れていない
TOEICの音声は、ネイティブスピーカーの自然な会話スピードです。音のつながり(リエゾン)や省略も頻繁に発生します。
例:
表記 | 実際の音 |
---|---|
Would you like | ウッジュライク |
What did you | ワッディジュ |
Didn’t he | ディニ |
これらが認識できないと、文の意味そのものがつかめません。音声変化に慣れるためのシャドーイングは必須です。
【対策①】質問パターンを分類・暗記する
Part 2はパターンの反復が多く、頻出の質問+応答ペアを覚えることで安定感が増します。
おすすめは以下のようなセットで暗記:
- Q: Where’s the nearest convenience store?
A: Just across the street. - Q: Who’s going to lead the project?
A: Ms. Suzuki from marketing. - Q: Would you mind closing the door?
A: Not at all.
このような「聞き慣れた表現」のストックが増えると、瞬時に正解が選べるようになります。
そういう意味で、Part2を弱点としている方は、アウトプット、特にスピーキングの習慣化や英語によるコミュニケーションが不足している可能性があります。
Part2の問題をさっと見ると「これが正解?」と思わず考えてしまうような問題もありますが、日常的なコミュニケーションの流れの中で発話に対する応答を考える習慣が付いていれば、徐々に正答率が上がっていきます。
Part2に限らず、TOEIC全体で高いスコアをマークする方は、アウトプットを心掛けている方が多いです。
【対策②】ディクテーションで「聞き漏れポイント」を分析
一語一句を書き取る練習(ディクテーション)をすることで、自分がどこを聞き逃しているのかが明確になります。
おすすめステップ:
- TOEIC公式問題集などで音声を再生
- 一時停止しながら、英文を書き取る(スペルミスは気にせず、わからなければカタカナでもよい)
- 正解スクリプトと照らし合わせ、苦手な音を特定
- 苦手な表現を繰り返し練習
これにより、「いつも“What系の問題”と“Where系の問題”を間違える」など、パターン化された弱点が見つかります。
【対策③】シャドーイングで耳と口を同時に鍛える
英語のリズム、スピード、音の連結に慣れるにはシャドーイングが最強の練習法です。
やり方:
- 音声を流しながら、1〜2秒遅れてそのまま声に出す
- スクリプトを見ずに行い、リズム重視でマネする
- 録音して聞き直すことで、改善点を確認
特にPart 2のように短い会話には、テンポの良い反応が求められるため、シャドーイングは非常に効果的です。
シャドーイングと言うと、すでに学習した英文で取り組むことが多いと思います。私は、「初見シャドーイング」もおススメしています。
初めて接する英文をシャドーイングする習慣を付けると、音に対する集中度が上がります。
実際に学生に取り組んでもらうと「問題を解く前にシャドーイングをした方が、聞くことに集中できる」という感想を述べてくれます。
【対策④】応答パターン集を音読・暗記する
TOEIC Part 2には、「決まり文句」のように出てくる応答パターンがあります。
例:
- “Not that I know of.”(私の知る限りでは違います)
- “Let me check.”(確認しますね)
- “I’ll get back to you on that.”(後で連絡します)
これらを声に出して何度も音読→暗記することで、選択肢が聞こえた瞬間に「これだ!」と判断できます。
正しく暗記できていなくても、口がフレーズを1つの単語として覚えていれば、自然と正解にたどり着きます。慣れてくると選択肢を見なくても正解がわかるような場面も出てきます。
【対策⑤】TOEIC Part 2に強くなるおすすめ教材
- ✅ 『公式 TOEIC Listening & Reading 問題集』シリーズ
└本番と同じ音声・ナレーター・難易度 - ✅ 『TOEICテスト Part 2 応答問題 でる600問』
└応答パターン特化で反復練習に最適 - ✅ YouTube:TOEIC Part 2 Listening Practice
└無料で数百問の模試問題を聞ける
教材は「紙+音声」で行い、必ず音読・シャドーイングと組み合わせて使用するのがポイントです。
【+α】Part 2を制すれば、TOEIC全体のスコアが伸びる
Part 2のスキルは、Part 3・Part 4のベースになります。
- 短い英文の聞き取り→長い会話の理解へ
- 自然な応答の感覚→設問選択の精度アップ
- 音への反応速度→リスニング全体のテンポ感向上
つまり、Part 2を強化することがリスニング全体の土台になるのです。
【試験直前対策】TOEIC本番でPart 2の力を最大限発揮するために
同時通訳のお仕事をされている方々は、現場に出る前にオーバーラッピングやシャドーイングをなさるそうです。こうしたウォームアップも若干ではありますが、Part1, Part2のスコアアップに効果がある可能性があります。
試験当日、特にリスニングが始まる前には、英語の音に慣れておくことが非常に重要です。
プロの同時通訳者も行っている以下のトレーニングを、ぜひ当日のウォームアップに取り入れてみてください。
- 🔸 シャドーイング:1〜2分、公式音声を聞きながら発話。テンポ・音の流れに集中。
- 🔸 オーバーラッピング:スクリプトを見ながら、音声と同時に読むことで音の再現力を高める。
- 🔸 応答パターンの音読:Part 2の頻出Q&Aを口に出して脳を英語モードに切り替える。
さらに、呼吸を整え、ネガティブな感情を払うことも集中力を保つコツです。
「TOEIC Part 2は準備した人が勝つパート」。本番直前まで、耳と口を使って、ウォームアップをしっかり行いましょう。
まとめ|TOEIC Part 2が苦手な人がやるべきこと
- ❶ 質問タイプを分類して理解する
- ❷ 冒頭の語の聞き取りに全集中する
- ❸ 自然な返し方を暗記して応用する
- ❹ シャドーイング・ディクテーションを毎日少しずつ続ける
- ❺ 苦手意識をなくし、パターンとして会話をとらえる
その他、日々TOEICの勉強を続けておられる皆さんには、独自の攻略法があると思います。コメント等でシェアしていただけると嬉しいです。