テレビなどでおなじみの「アンテナ(antenna)」。これもカタカナ語の1つです。この記事では、アンテナの機能から意味を考えてみましょう。
「遠く」から電波を受けるのがアンテナ
アンテナ(antenna)は、遠方から電波を送り、それを受け取る機械です。もともと「遠く離れた」という意味を持ちます。これは距離だけでなく「時間的に離れた」ということでもあります。このように、ant-, anc-などには「遠く」という意味が含まれていることがあります。
ちなみに、ancientは「昔の」という意味、ancestorは「祖先」。「遠く時間的に離れた」という意味になるわけです。これもよく耳にする「アンティーク(antique)も「古くて価値のあるもの、骨董品」という意味になるわけですね。
カタカナ語 アンテナ の派生語
このように考えると、アンテナの派生語には以下のようなものが考えられます。
antennal | アンテナの、アンテナに関する | アンテナル antenna+l |
antennary | アンテナに関する、アンテナに似た | アンテナリー antenna+ary |
antennas | アンテナの複数形 | アンテナズ antenna+s |
antennate | アンテナを持つ、アンテナに似た | アンテネイト anttena+te |
単語 | 意味 | 発音(カタカナ表記でアクセント部分を太字に) |
---|
anciently | 古代に、昔 | エインシェントリー ancient+ly |
ancientness | 古さ、古代性 | エインシェントネス ancient+ness |
ancientry | 古代風、古風な様子 | エインシェントリー ancient+ry |
antiquity | 古代、古代の遺物 | アンティクウィティ anti+qui+ty |
antiquarian | 古物研究家、古物収集家 | アンティクェアリアン anti+qua+rian -rianは「ベジタリアン」の「リアン」で「~に関わる人」 |
単語 | 意味 | 発音(カタカナ表記でアクセント部分を太字に) |
---|
antiquity | 古代、古代の遺物 | アンティクウィティ antiqu+ity |
antiquarian | 古物研究家、古物収集家 | アンティクェアリアン antiqu+a+rian -rianは「ベジタリアン」の「リアン」で「~に関わる人」 |
antiqueness | 骨董品であること、古さ | アンティークネス antique+ness |
ancestral | 先祖の、先祖伝来の | アンセストラル ancest+al |
ancestry | 祖先、家系、血統 | エンセストリー ancest+ry |
ancestrally | 先祖から、代々 | アンセストラリー ancest+ral+ly |
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antenaの語源的意味
「antena(アンテナ)」の語源を考える際に、まずはその歴史的背景を振り返ります。
語源的知見
- 英語の「antenna(アンテナ)」は、ラテン語の「antenna」という単語に由来します。このラテン語は「帆柱の横木」や「船の帆を支える竿」を指していました。船の帆を張るための横木が、後に動物や昆虫の触覚に見立てられるようになり、触角を意味するようになりました。
- 18世紀に、昆虫学では「触覚」の意味で「antenna」が使われるようになります。昆虫の触覚が長く伸びている姿が、船の帆を支える横木に似ていると考えられたのです。
- さらに、20世紀に入り、無線通信が発展すると、電波を受信する装置の形が昆虫の触覚や船の帆柱に似ていたことから、「アンテナ」という用語が通信技術にも適用されました。
つまり、「antenna」は元々ラテン語で船の帆柱の一部を指す言葉であり、そこから昆虫の触覚や無線通信のアンテナに転用されたという歴史を持っています。
現代の意味
「アンテナ」は現代では主に無線電波を受信または送信するための装置として使われていますが、その語源には古代の航海技術や昆虫学の影響があるのです。