カタカナ語英単語勉強術

カタカナ語で覚える英単語は意外と多い

　カタカナ語は英単語を覚えるのに大変役立ちます。ある研究によると、アメリカの大学で使われている経済学の教科書のうち、カタカナ語とその派生語が3割以上４割弱含まれているとも言われます。
　単語100語の英文があったとすると、そのうちの30から38語はカタカナ語と関係した単語であるということになります。

2023年度大学入試共通テスト（筆記）に出たカタカナ語の数

　そこで2023年度大学入学共通テスト筆記テストの問題を分析してみました。おおまかな結果は以下の通りです。

　1033種類の単語のうち、カタカナ語関連の単語が478語ですから、全体の46%はカタカナ語に関係した単語だったということになります。

　その中には、自分が知らないカタカナ語もあるかもしれません。けれど、日本語としてカタカナ語をたくさん知っていれば、その分覚えられる英単語も増えるということになります。

　478個のカタカナ語に、派生語がある場合、これの2倍から3倍以上の英単語を覚えることも可能になるわけです。楽勝だと思いませんか？

派生語：名詞の単語に動詞形・形容詞形・副詞形がある場合、これを派生語といいます。

　こんなふうに、身の回りにあるものに目を向けるだけで、英単語が身につく可能性はかなり大きくなるわけです。英語の勉強は苦労しなければできるようにならないと言われますが、楽して身に付くこともそれなりにあるのです。

派生語がないカタカナ語の例

　英単語には、派生語がないものがあります。apple, melonなどは、普段使いそうな派生語がありません。

　野菜や果物、フード・ドリンク等には同様の単語があります。こうした単語はとりあえず正しく発音できるようにすることが必要ですが、それ以上の勉強は、今の段階では不要です。

派生語のあるカタカナ語の例

　　派生語について、以下、2023年度大学入試共通テスト筆記問題に出てくる英単語を例にみてみましょう。

activity
　「活動」という意味です。「アクティビティー」とカタカナ語になっています。この単語の大本はact「行動、行為、演技」という意味があります。これをもとに、派生語を抜き出してみましょう。

　単語の羅列を見るのがめんどくさい場合、次の図をご覧になって下さい。

　この後に書いていますが、ここですべての単語を覚えることはしないで下さい。「これだけ単語が広がるんだな」程度の気持ちで結構です。

actと派生語（図）
PDFファイル

actのつづりをもとに、足し算形式で表示してみます。

act 行動、行為、演技

actor	act+or	俳優
acting	act+ing	演技（すること）
active	act+tive	アクティブな、行動的な
actively	act+tive+ly	積極的に
activate	act+tive+ate	活性化、起動する
action	act+tion	行動
activities	act+tive+ty+s	活動（複数形）
react	re+act	反応する
reaction	re+act+tion	反応
reactive	re+act+tive	反応が速い、敏感な
reactor	re+act+or	反応装置、原子炉
reactant	re+act+tant	反応物（剤）
overreact	over+re+act	過剰反応する
enact	en+act	制定する
enactment	en+act+ment	制定
overact	over+act	過剰行為
interact	inter+act	交流する
interactive	inter+act+tive	相互作用
interaction	inter+act+tion	交流

　日本語訳の意味がわからない場合は、ググって意味を理解しておくとよいでしょう。この他のカタカナ語についても、順次ブログで解説をしていくのでお読み下さい。

　先ほどお伝えしたことですが、このブログで紹介する派生語を、全部暗記しようとしないことです。これから意味のわからない単語に出会ったら、次の手順で意味を考えてみて下さい。

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1. 足し算形式で単語をパーツに分ける
2. 分けたパーツの中に、知っている単語もしくは知っている単語と似た単語を探す
3. パーツの意味からどんな意味なのかを考える（だいたいでよい　長い時間考えない）
4. 最後に意味を調べる

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　暗記する努力はよいことなのですが、

「単語　―――　日本語訳」

という覚え方を続けると、推測する能力が付きません。初めて見る単語は、意味を「推測する習慣」を付けましょう。ただし、推測できるかどうかは、英文の難易度に左右されます。この点は別に触れます。

→リーディングと単語力の関係　自分に合った英文の選び方

発音の問題

　カタカナ語で注意していただきたいのは、発音の問題です。日本語の通り発音するのでは通じない場合が圧倒的に多いのです。

　ですから、カタカナ語ほど、Google翻訳で発音を正しくできるようにしておくことが大切です。よく知っているカタカナ語ですと、発音がなかなか直らないという化石化という現象が起こります。

→スマホの活用（Google翻訳他）

　カタカナ語の発音を調べたら、カタカナで読み仮名を書くのは、悪いことではありませんが、注意点があります。これも別に触れます。

→　単語に読み仮名をふるのはダメ？

※化石化(fossilization)
　誤りが固定化してしまい、そのまま定着してしまうこと。

フード・ドリンク関係の単語

　大学入試共通テスト（2023年度）筆記試験には、以下のようにフード・ドリンク関係の単語が使われていました。分類し解説を加えます。

　フード・ドリンク関係のカタカナ語だけでも次のような単語が含まれています。

chocolate	cooking	cup
decorate	dish	food
hamburger	juice	junk
meal	mint	sweet
table	tuna	water
yogurt

　多くの単語には派生語があります。つまり、１つ意味を知っていると、その何倍もの単語が頭に入りやすくなるということです。

　量が多くなり過ぎますから、ここでは初級から上級の方までためになる例をご紹介します。

mintと派生語

mint ミント　ハッカ
　ミントはさわやかな香りと味がします。そのため「新しい」「新鮮」というイメージを与えます。

　そういうわけで、mint conditionと言えば、「ミントのようなすがすがしい、新鮮な状態」ということで、「新品同様の　作りたての」という意味になります（大学入学共通テスト2023年度に出題）。

　映画School of Rockで主人公のデューイがギブソンのギターを電話で売るシーンに出て来ますので、興味がある方はご覧になってみて下さい。その他、

mintage　= mint+age 「新しいお金やお札を作ること」で「貨幣鋳造　お金を作ること」

remint = re + mint 「もう１度(re)吹き込む」で「吹き替える」

　フード・ドリンク関係のカタカナ語と派生語は、また別の機会にご紹介します。以下リンクの貼ってあるものは、解説済の単語です。

chocolate チョコレート
cooking 料理する　料理人
decorate 飾る　デコる
cup カップ
food 食べ物　フード
juice ジュース
junk ジャンク　安物　廃品
sweet 甘い
water 水　水を飲ませる