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【語源で覚える】biodiversity|バイオ+ダイバーシティで「生物多様性」

著者情報
【著者:鈴木一世(イッセー)】

現役大学教員・カウンセラー。
  専門の「第二言語習得理論」と「心理学」に基づき、氷河期世代・非正規雇用・転職に関わるリスキリング戦略をデータで解説。挫折しそうな人のための、脳と心の攻略ガイド。  

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「バイオテクノロジー」のバイオ。職場や学校で耳にする「ダイバーシティ」。どちらも、もう日本語の一部になっていますよね。

この2つをくっつけると、biodiversity(生物多様性)になります。長くて身構えてしまう綴りですが、中身は知っているカタカナ2つの合体です。

この記事では、前半の bio(生命) に光を当てます。bio がわかると、生物学・伝記・抗生物質・共生といった、一見バラバラな単語がひとつの家族に見えてきます。

※ 後半の diversity(多様性)の中にある vers(向く・回る)については、diverse の記事でくわしく扱っています。あわせて読むと、biodiversity が「生命」と「向き」の2つの家族が出会う単語だとわかります。

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biodiversity を分解してイメージで覚える|「バイオ」+「ダイバーシティ」

biodiversity をパーツで見ると、こうなります。

bio(生命)+ diversity(多様性)

さらに diversity を開くと、

di(離れて・別々に)+ vers(向く)+ ity(〜であること)

まとめると、「生命が、それぞれ別々の方向を向いていること」。森の中で、鳥も虫もキノコも、みんなちがう方向を向いて、ちがう暮らし方をしている・・・その「ちがいの豊かさ」をひとことで表したのが biodiversity です。

覚え方は、カタカナのまま足し算するのがいちばん早いです。

バイオ(生命)+ ダイバーシティ(多様性)= 生物多様性

この単語は、パーツの意味がそのまま全体の意味になる素直な語です。分解さえできれば、もう怖くありません。

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biodiversity の基本の意味と使い方

biodiversity は「生物多様性」を表す名詞です。ある地域や地球全体に、どれだけいろいろな生き物が、いろいろな形で暮らしているかを指します。数えられない名詞なので、a は付けず、複数形にもしません。

  • protect biodiversity(生物多様性を守る)
  • biodiversity loss(生物多様性の損失)
  • rich in biodiversity(生物多様性が豊かな)
  • a biodiversity hotspot(生物多様性の宝庫、ホットスポット)

ニュースでは環境やSDGsの話題とセットで出てくることが多く、「守るべきもの」「失われつつあるもの」という文脈でよく使われます。

diversity・diverse との関係

biodiversity の後ろ半分は、そのまま diversity です。ここは整理しておくと迷いません。

単語品詞意味
diverse形容詞多様な、さまざまな
diversity名詞多様性
biodiversity名詞生物多様性(生命の多様性)

diversity は人・文化・意見など何にでも使えますが、biodiversity は「生き物」に限った多様性です。職場の「ダイバーシティ」に bio を付けても、人材の多様性という意味にはならないので注意してください。

bio(生命)でつながる単語ネットワーク

biodiversity の頭の bio は、ギリシャ語 bios(生命・人生)から来ています。ここを押さえると、こんな単語が一気につながります。

単語意味イメージ
biology生物学bio+logy(学問)=生命の学問
biography伝記bio+graph(書く)=人生を書いたもの
autobiography自伝auto(自分)+biography=自分の人生を書いたもの
antibiotic抗生物質anti(対抗)+bio=細菌の生命に対抗するもの
symbiosis共生sym(共に)+bios=共に生きること
biodegradable生分解性のbio+degrade(分解する)+able=生き物の力で分解できる
microbe微生物micro(小さい)+bios=小さな生命
biotechnologyバイオテクノロジーbio+technology=生命を扱う技術

「bio が入っていたら、たぶん生命や人生の話」・・・そう見えるようになると、初めて見る理科系の単語でも、ぐっと意味の見当がつけやすくなります。biography(伝記)が「人生」の bio だというのは、ちょっとうれしい発見ではないでしょうか。

派生語|biodiversity まわり

単語品詞意味発音
biodiversity名詞生物多様性バイオダイバーシティ /ˌbaɪoʊdaɪˈvɜːrsəti/
biodiverse形容詞生物多様性の高いバイオダイバース /ˌbaɪoʊdaɪˈvɜːrs/
biological diversity名詞句生物多様性(正式な言い方)―

※ di の部分は「ダイ」と「ディ」の両方の発音があります。

TOEIC・英検での出題傾向

正直に言うと、TOEIC で頻繁に出る単語ではありません。ビジネスの場面より、環境・科学の話題で使われる語だからです。

一方で、英検準1級・1級の長文や、大学入試の環境テーマの長文では見かける機会があります。ニュース英語でも定番の語なので、「読めればいい単語」として押さえておくと安心です。

英文で確認|翻訳練習10問

英文を見たら一度止めて、和訳を書いてみてください。答え合わせは記事の最後にまとめてあります。

  1. Biodiversity means the variety of life on Earth.
  2. This small pond is rich in biodiversity.
  3. Forests protect biodiversity.
  4. You can support biodiversity by planting flowers.
  5. Biodiversity makes nature strong.
  6. Every species plays a part in biodiversity.
  7. Your garden can be a home for biodiversity.
  8. Children learn about biodiversity at the zoo.
  9. Biodiversity reminds us that differences are strengths.
  10. Just like biodiversity, your differences make the world richer.

語源メモ|1985年に生まれた、新しい言葉

biodiversity は、古い言葉のように見えて、実はかなり新しい語です。1985年、アメリカの Walter G. Rosen が、生物多様性をテーマにした会議(翌1986年にワシントンで開催)を準備する中で、biological diversity を縮めてつくりました。その後、生物学者 E. O. Wilson がこの会議の報告書を『Biodiversity』(1988年)としてまとめたことで、一気に広まります。

なお、biological diversity という言い回し自体は、それより前の1980年に Thomas Lovejoy が使っています。「言い回しを使い始めた人」と「縮めて一語にした人」は別、と整理しておくと正確です。

パーツの出どころも見ておきましょう。

  • bio:ギリシャ語 bios(生命・人生)
  • diversity:ラテン語 diversitas から。もとは divertere(dis〈離れて〉+ vertere〈向ける・回す〉)=「別々の方向へ向ける」

つまり biodiversity は、ギリシャ語の bio とラテン語由来の diversity を組み合わせた単語です。生まれも育ちもちがう2つのパーツが一緒になって「多様性」を表している・・・言葉そのものが、ちょっと多様性っぽいですね。

まとめ

biodiversity は、bio(生命)+ diversity(多様性)で「生物多様性」。

  • bio(生命)・・・biology/biography/antibiotic/symbiosis などの家族へ
  • diversity(di+vers=別々の方向を向く)・・・diverse・universe など vers の家族へ
  • 覚え方は、カタカナで「バイオ+ダイバーシティ」と足し算するだけ

いろいろな命が、それぞれちがう方向を向いて生きている。そのちがいこそが、自然の強さです。

biodiversity の語源ワードマップ。中心は biodiversity(=いのちのちがいの豊かさ・生物多様性)で、bio(生命)+diversity(di+vers+ity=別々の方向を向くこと)に分解。語源・中心、bio(生命)系(biology / biography / autobiography / antibiotic / symbiosis / microbe)、vers(向く)系(diverse / diversity / universe / convert)、覚え方のヒント(バイオ+ダイバーシティ)の4クラスタに整理した図。

関連記事(内部リンク)

翻訳練習の解答

  1. 生物多様性とは、地球上の生き物の多様さのことだ。
  2. この小さな池は、生物多様性が豊かだ。
  3. 森は、生物多様性を守っている。
  4. 花を植えることで、あなたも生物多様性を支えられる。
  5. 生物多様性が、自然を強くしている。
  6. どの種も、生物多様性の中で役割を担っている。
  7. あなたの庭も、生物多様性のすみかになれる。
  8. 子どもたちは、動物園で生物多様性について学ぶ。
  9. 生物多様性は、ちがいこそが強みだと教えてくれる。
  10. 生物多様性と同じように、あなたのちがいも世界を豊かにしている。

NAWL(New Academic Word List)収録語

この単語は New Academic Word List(NAWL) に収録されています。NAWLは大規模な学術コーパスから抽出された960語のリストで、これらを覚えるだけで学術英語の約92%をカバーできます。論文や英字ニュースを読むとき、必ず出会う一語です。出典:New General Service List Project