今は「アーティスティック・スイミング」と呼ばれる競技は、かつては「シンクロナイズド・スイミング」と呼ばれていました。競技者全員が一緒に美しい演技をし、その動きが「シンクロ」しているところから付いた名前でした。
synchronize=syn(一緒に)+chronizeとなり、sym-, syn-は「シンパシー(同情)」の「シン」で「一緒に同じ気持ち」になることからわかるように「一緒に」という意味になります。synchronizeは「同時に起こる」「シンクロする」という意味になります。
オーケストラで使う、楽器のシンバルは、2枚「一緒」に合わせて音を出します。
synchronizeの派生語
派生語には次のようなものがあります。
synchronized | 同期した 同時に起こった | syn+chronize+ed |
synchronous | 同時の 同時に | syn+chro+nous |
synchronizeの語源的意味
「synchronize(シンクロナイズ)」という単語の意味を、語源的な知見をふまえてわかりやすく解説します。
「synchronize」の基本的な意味
「synchronize(シンクロナイズ)」は、日本語で「同期する」「同時に起こる」という意味です。これは、複数の物事や出来事が時間的に同じタイミングで起こることや、時間を合わせることを指します。たとえば、映画の映像と音声がぴったり合って再生されることや、チームで動きを揃えて一緒に何かを行う場合に「synchronize」が使われます。
語源をたどる
「synchronize」という単語は、ギリシャ語に由来しています。語源的には二つの要素に分かれており、それぞれ「一緒に」「同時に」と「時間」に関する意味を持っています。
- 「syn-」
「syn-」はギリシャ語の「σύν(syn)」に由来し、「一緒に」「共に」という意味を持つ接頭辞です。この「syn-」は、多くの英単語で「共に動く」や「一緒に働く」というニュアンスを表すのに使われます。たとえば、「synergy(相乗効果)」や「sympathy(同情)」などにも見られるように、「syn-」は「共に」という意味を表現する接頭辞です。 - 「chronos」
「chronos(クロノス)」は、ギリシャ語で「時間」を意味します。英語では「時間」に関係する言葉に使われることが多く、「chronology(年代記、年代学)」や「chronometer(クロノメーター、精密時計)」などの単語にも使われています。時間や時の流れに関連する概念を表す要素です。
この二つを組み合わせると、「synchronize」は「同じ時間にする」「時間を合わせる」という意味になります。つまり、複数の物事や出来事が時間的にぴったり合うように調整することを指すのです。
現代英語での使い方
「synchronize」は、日常生活の中でもよく使われる言葉で、特に技術やスポーツ、チーム活動などで何かを「同期させる」「同時に行う」場合に使われます。例えば、コンピュータのデータを別のデバイスと同期させることや、ダンスや泳ぎでチームの動きを揃えることに使われます。
例文:
- The dancers synchronized their movements perfectly.
(ダンサーたちは完璧に動きを同期させた。) - We need to synchronize the clocks before the meeting starts.
(会議が始まる前に時計を同期させる必要がある。)
このように、「synchronize」は、物事が時間的に一致するように調整することを意味します。
「synchronize」と関連する単語
「synchronize」には、いくつかの関連する単語があります。これらの単語も「時間」や「一緒に」という意味に関連しています。
- synchronization(シンクロナイゼーション)
名詞で「同期」や「同時に起こること」という意味です。複数の出来事や動作を時間的に合わせる行為を指します。 例文: - The synchronization of the lights and music made the show more impressive.
(ライトと音楽の同期がショーをより印象的なものにした。) - asynchronous(アシンクロナス)
これは「非同期の」という意味の形容詞で、物事が同時に起こらない場合や、異なるタイミングで動作することを指します。 例文: - The online course allows for asynchronous communication between students and teachers.
(そのオンラインコースでは、学生と教師の間で非同期のコミュニケーションが可能です。) - chronology(クロノロジー)
「時間の順序」や「年代順」という意味で、出来事や歴史がどのような順序で起こったかを表します。 例文: - The chronology of the events helped us understand the cause of the accident.
(出来事の時間的な順序が、事故の原因を理解する手助けになった。)
日常生活や技術における「synchronize」の例
「synchronize」は、現代社会の多くの場面で使われます。例えば、スマートフォンやパソコンでデータを他のデバイスと同期させる場合、「synchronize」という動作が行われています。これにより、異なるデバイスで同じ情報を同時に扱うことができます。また、スポーツやパフォーマンスの分野でも、チームメンバーが同時に動きを揃えるときに「synchronize」が重要になります。
- 技術分野での同期
スマートフォンやパソコンのデータをクラウドに保存して、他のデバイスと同期することが一般的です。これにより、どのデバイスでも最新のデータを確認できるようになります。たとえば、スマートフォンの写真をクラウドに同期させることで、パソコンでも同じ写真を確認できるようになります。 - スポーツやパフォーマンスでの同期
シンクロナイズドスイミング(アーティスティックスイミング)やチームダンスなど、複数の選手が同じ動きを同時に行うスポーツでは、完璧な「synchronization(同期)」が必要です。選手たちが時間的に動きを一致させることで、美しいパフォーマンスを見せることができます。
語源を知るメリット
「synchronize」の語源を理解することで、この単語の意味をより深く知ることができます。「syn-」は「一緒に」「共に」を表し、「chronos」は「時間」を表します。これにより、「同時に」「時間を合わせる」という意味が自然に導き出されます。さらに、「syn-」や「chronos」が使われた他の単語も理解しやすくなります。たとえば、「synergy(相乗効果)」や「chronology(年代順)」といった単語が挙げられます。
結論
「synchronize」は、「syn-(一緒に)」と「chronos(時間)」が組み合わさってできた単語で、「時間を合わせる」「同時に動作させる」という意味を持っています。現代では、技術やスポーツ、パフォーマンスの分野でよく使われる言葉です。語源を理解することで、この単語の意味を深く理解し、関連する単語も覚えやすくなります。